トップへ戻る   以前の記事は、こちらの更新記事履歴
新首都圏ネットワーク


JANJAN 2004年12月26日付

国立大学の授業料値上げを文科省が押しつけ


 国立大学が法人化されてまだ1年もたたないのに、来年からの授業料の値上
げが、文科省によって押しつけられようとしている。法人化によって、国立の
大学ではなくなった「国立大学法人」は、授業料は自分たちで決められるはず
であった。

 しかし、大学の運営に必要なお金「運営交付金」を、来年から学生の授業料
を値上げして増益した分を減額するというやり方で、まだ値上げを決めてもい
ない大学に値上げを押しつけようとしている。法人化によって、文科省のコン
トロールから独立したはずの「国立大学」だが、実際には、運営交付金を減ら
すと言うだけで、授業料の値上げをせざるを得ない状態に追い込まれてしまう。
そして、政府が国立大学に交付してきた金を減らした分だけ、学生に負担させ
ようということなのだ。

 学生よ。もっとこの政府のやり方に怒るべきだ。それともお金を払うのは親
だから、私達は知らないよ、というのだろうか。

 肝心の国立大学協会では、12月8日に総会を開いてその問題も含めて審議
した。授業料の値上げは容認できないという意見が多くの大学から出され、文
科省への要望書を提出した。しかし、政府予算案では、国大協の要望は一顧だ
にされず、授業料の値上げを前提とした運営交付金の減額が行われてしまった。
これは、授業料を決めるのは国立大学法人ではなく、実質的には、法人化した
にもかかわらず政府が決めるということの強い意志(脅し)を表したのであろ
う。国大協も法人化にきちんと反対しなかったため、なめられたものだ。

(山路比呂志)