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新首都圏ネットワーク


『河北新報』2004年12月26日付

東北大 学長選挙の廃止検討 選考会議方式に転換


 東北大は25日までに従来の学長選挙を廃止し、学内で推薦された候補者の
中から「学長選考会議」が審査、決定する方式に変える方針を固めた。候補者
資格を学外にも広げ、より開かれた形での学長選びを目指す。2006年秋か
らの導入を目指す。

 改革案によると、学内の「経営協議会」(学内、学外委員各13人)と「教
育研究評議会」(学部長ら52人)から、まず各5人程度の候補者を推薦して
もらう。

 教育研究評議会の場合、候補者の推薦前に意向投票を行うこともできる。経
営協議会は経営面を、教育研究評議会は教育面を審議する機関で、今年4月に
設けられた。

 2機関からの推薦以外に教授、助教授30人以上の連名で推薦があれば、こ
れも受け付ける。

 その後、「選考会議」が面接して候補者の実行力、組織改革の実績、教育・
研究分野での業績を審査、決定する。

 具体的にどう優劣をつけるかなど、基準設定は今後詰める。

 現行の学長任期は一期4年。再選されれば2年延長されるが、今後は一期6
年、再選は認めない。

 従来は候補者を東北大の教授か教授経験者に限定。助手以上による一次選挙
で上位15人を決定、2次選挙で5人に絞り、3次選挙で過半数を得た候補者
を選んでいた。

 歴代学長19人をみると、教員の多い工学部や医学部など理系出身者が14
人と7割以上を占める。学内選挙は民主的との声がある半面、「旧態依然の選
考で、各学部の権益が優先され、学長としての資質は二の次」との批判も根強
かった。

 同大幹部は「トップの資質を見極めるには、数の論理がまかり通る選挙では
不十分。地域に開かれた大学を目指すために改革が必要だ」と話す。

 しかし、選挙方式にこだわる意見や明確な選考基準が示せるのか、不安視す
る向きもあり、今後、論議を呼びそうだ。

[学長選考会議]今春の法人化をきっかけに設置された。経営協議会の学外委
員と教育研究評議会の代表者が同数ずつ参加し、東北大の場合は計12人で構
成する。