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新首都圏ネットワーク


FujiSankei Business i. 2004年12月23日付

来年度予算復活折衝 私学助成は35億円増額


 2005年度予算編成は22日、谷垣禎一財務相と各閣僚による復活折衝を
行い、500億円の調整財源の配分が決まった。これを踏まえ、政府は24日
に05年度予算案を閣議決定する。

 緊縮予算の一つのポイントとして、財務省が84年度以来、21年ぶりの減
額を目指していた私学助成(私立大学と高校の運営費補助)は、自民党文教族
の反発が強く、伸び率は0.8%増(今年度は1.7%増)と圧縮したものの、
04年度当初比35億円増の4326億800万円で決着した。私大補助が同
0.9%増の3292億5000万円(今年度伸び率は1.4%)、高校補助
が同0.5%増の1033億5800万円(同2.7%)とそれぞれ増額となっ
た。

 05年度予算編成の基本方針を提言した財政制度等審議会(財務相の諮問機
関)は、「(少子化で)学生数が減っているにもかかわらず、毎年度上積みさ
れている」と私学助成の“聖域化”を問題視していた。

 すでに原案で予算化された関西国際空港の第2滑走路、横ばいにとどまった
地方交付税を含め、財政審が特に歳出削減に言及していた予算項目は結局、い
ずれも十分な成果を得られない消化不良に終わった。

 閣僚折衝後に会見した谷垣財務相は、05年度予算について「財政構造改革
を前進させることができた」と評価した。私学助成の増額については「2年目
となる法科大学院の増加分もある」と指摘。

 ただ、「単なる機関助成ではいけない。競争原理の視点が必要との財政審の
提言はその通りだと思う」とし、介護保険分野の一部見直しにとどまった社会
保障関係費も「すべての問題が解決したわけではない」と課題を次年度以降に
積み残したことを認めた。