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『京都新聞』2004年12月22日付 研究成果を企業へ売り込み 下京 関西TLOが活動強化 大学の研究成果を企業に橋渡しする技術移転機関の関西TLO(京都市下京 区)が、企業側のニーズを広く掘り起こす活動を強めている。技術移転率を高 めるのが目的で、2005年から大阪市の政府系投資機関と提携して西日本の 企業に特許情報を提供するほか、企業OBでつくる営業部隊を編成し、企業側 への売り込みを強化している。 TLOは、大学の研究者が発明した研究成果の特許申請を代行、企業に特許 の使用権を与えたり売却したりして事業化を促す役割を担う。全国に38機関 ある。関西TLOは京都大や立命館大、同志社大などの技術移転を請け負って おり、設立以来6年で約100件を技術移転した実績がある。 特許出願数に占める移転契約数の割合(移転率)は25%と、全国平均20 %を上回るが、独立法人化された国立大が特許申請を直接手掛けるようになり、 事業基盤を保つには「マーケティングに力点を置いて移転率を高める」(中村 卓爾常務)ことが重要になってきた。 その一環で、西日本のベンチャーや中小企業に投資している政府系投資機関 の大阪中小企業投資育成(大阪市)と提携し、保有する特許情報を提供する会 員組織を05年1月に立ち上げる。大阪中小企業投資育成の投資先企業から会 員を募集、会員企業の得意分野やニーズに応じた特許情報を流し、技術移転を 促進する。年会費は1万5000円で、技術交流会の開催も検討している。 04年始めには、特許情報を近畿の中小企業に直接売り込む営業部隊「特許 流通アソシエイト」を始動させた。中小企業に人脈がある企業OB約20人を 非常勤で雇用し、特許と企業ニーズとを結びつける「攻めの営業」を展開。中 小企業の技術ニーズを情報交換する会合も月1回のペースで開いている。 中村常務は「技術移転を促進するには受け皿を増やすことが肝要。今後もさ まざまな機関とアライアンスを結び、移転率を高めたい」と話している。 |