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新首都圏ネットワーク


『北海道新聞』2004年12月21日付

授業料標準額の値上げ 困惑する道内国立大 財務省原案


 二○○五年度予算財務省原案で、国立大授業料の標準額が、現行比一万五千
円アップの年間五十三万五千八百円と設定され、北大など道内の国立大にも戸
惑いが広がっている。四月の独立行政法人化で、標準額を目安に授業料を独自
に決めることができるようになった各国立大は、厳しい大学財政と学生の負担
増をにらみながら難しい判断を迫られそうだ。

 文部科学省によると、各国立大は、標準額の10%増しを上限に授業料を設
定でき、北大の中村睦男学長は「値上げが盛り込まれたのは残念。このまま決
まれば、北大の財務状況を考えると、値上げに応じるしかないかな」と話す。
学生の負担増を考えると、値上げはできる限り、避けたいとはいえ、財務省原
案には国の運営費補助金減額も含まれている。背に腹は代えられないといった
感じだ。

 北見工大も「標準額が上がるのであれば、値上げはやむを得ない」とし、道
教大は「まだ白紙」。小樽商大、室蘭工大、帯広畜産大は「検討中」で、旭川
医大は「値上げは考えていなかっただけに内示は残念」という。

 複数の道内国立大関係者は「道内の他の国立大の状況を見てから決めたい」
と打ち明ける。これまで国立大の授業料は全国一律で、国が決めていただけに、
独自の判断を迫られることへの困惑もかなりありそうだ。