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新首都圏ネットワーク


『朝日新聞』岩手版 2004年12月20日付

授業料値上げ反対 岩手大など


 岩手大、弘前大、秋田大は20日、文部科学、財務両省が国立大学の年間授
業料の目安となる標準額を来年4月から引き上げる方針を固めたことについて、
反対する声明を連名で出した。3大学は、授業料引き上げで、地方の大学離れ
が加速することを懸念している。

 両省の方針では、標準額は現行の52万800円から、53万5800円に
なる見通しだ。国立大学の運営費は、授業料のほか、不足分を国からの運営費
交付金でまかなっており、標準額の引き上げに伴い、交付金が減らされること
になる。授業料は各大学が決めることができるが、仮に引き上げをしない場合
には、「約6千人分の9千万円を捻出(ねん・しゅつ)しなければならず、今
の経営状況では厳しい」と、岩手大の平山健一学長は説明している。

 そのため声明文では、学生が経済状況に左右されることなく進学できるよう、
標準額の引き上げをしないことを求めている。また、大学法人化に伴って特色
ある取り組みをしていることから、運営交付金はこれまでと同様の金額を確保
することなどを訴えている。

 県内の大学進学率は32%と、全国トップを行く京都府の61%に比べると
かなり低い。平山学長は「授業料は、2年ごとに上げられている状況で、経済
が低迷している東北では重大な問題。今後も引き上げが懸念されるため、ここ
でしっかりと訴えていきたい」と話していた。