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新首都圏ネットワーク


TBSニュース 2004年12月20日付

大型公共事業に予算、財政再建に逆行


 臨時閣議に提出された財務省原案の中で私たちの生活に関係の深い項目をま
とめました。

 日本でも感染が確認された鳥インフルエンザ、こうした新しい感染症に迅速
に対応するために「137億円」。

 牛肉などの流通経路を電子タグで調べるために「52億円」の予算が認めら
れました。

 災害に機動的に対応するため、新たに「200億円」が計上されています。

 一方、国立大学の授業料は標準で1万5000円の値上げですが、大学が自
主的に決められるようになるため、学生を集める自信がなければ、授業料を据
え置く大学も出てきそうです。

 整備新幹線は北海道、北陸、長崎の3ルートの着工が認められました。

 凍結を検討していた関西国際空港の2期工事も結局、認められました。

 地方自治体の事業に使う地方交付税交付金、谷垣財務大臣が2年間で8兆円
の削減を宣言して騒ぎになりましたが、地方の取り分は結局、増えています。

 このように大型の公共事業が目立つ今回の予算、財政再建と逆行する点が目
立ちます。

 整備新幹線や関西国際空港の2期工事に予算がつくなど、族議員主導の大型
公共事業はむしろ「聖域化」している感もあります。

 谷垣財務大臣は「地域再生や観光立国の応援だ」などと取ってつけたような
説明をしていますが、黒字になるか疑わしい整備新幹線は地域経済にとって、
新たな重荷になる可能性は否定できません。

 すでに国と地方の借金はあわせて774兆円に達していて、国民1人当たり
606万円もの借金を抱えている計算です。こうした借金は将来、必ず増税な
どの形で私たちの生活に重く圧し掛かってきます。