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新首都圏ネットワーク


『毎日新聞』2004年12月17日付

ものづくり技術高専、06年開校 大学経ず修士コース−−都方針 /東京


 ◇9年間の一貫教育

 中学校卒業後に9年間かけて、科学技術の高度化に対応できる「ものづくり
技術者」を養成しようと、都は06年4月、新たな高等専門学校を開校し、2
4歳までの一貫教育プログラムを準備する方針を決めた。4年制大学を経由せ
ずに「専門職大学院」で修士号を得られる国内唯一のコースになるという。

 都教委の構想によると、現在ある都立工業高専(品川区)と都立航空工業高
専(荒川区)を統合した新しい高専の本科(5年)の上に専攻科(2年)を新
設し、「首都大学東京」の産業技術大学院(2年)に接続する。学力テスト以
外の多様な入試を実施することにより、ものづくりの才能がある中学卒業生を
入学させるという。

 新しい高専は、公立大学法人「首都大学東京」が運営する見込み。東京のも
のづくり産業を担うスペシャリストの養成を目標に掲げ、環境に配慮したエネ
ルギー技術や、防災・防犯のための安全確保技術など「東京再生に寄与する東
京工学」の視点を取り入れた教育をする。

 現在、公立大学法人による高専経営は認められていないため、都は国に教育
改革特区を申請中。専攻科の定員は1学年32人を想定し、専門職大学院に進
学しなかった学生も学士号を得られるため、大卒と同じ扱いになるという。
【奥村隆】