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『毎日新聞』東京版 2004年12月15日付

首都大学東京 陳情4件、不採択に 単位バンクに上限−−都議会委 /東京


 ◇単位バンク、現制度と同じ上限

 都議会文教委員会は14日、来年4月の「首都大学東京」開学に関連し、都
立4大学の学生や教員らが提出していた請願・陳情4件について、いずれも賛
成少数で不採択と決めた。

 都立大の学生自治会は01年9月、昼夜開講制存続を求める請願を提出した
が、夜間課程は03年度入学生を最後に廃止された。文教委で都は「首都大学
東京では単位バンク制度を導入し、多様な履修機会の確保に取り組む」と説明
した。

 大学教員らが「学生、教職員、都民の総意に基づく改革」や「4大学の意思
を尊重し、改革を自主的・民主的に進めること」を求めた陳情に対しては、都
の担当者が「新大学への参加を予定する教員全員が主体的に参加する形態で検
討を進めている」などと述べた。

 委員会審議を通じて、都は新大学の概要の一部を説明した。このうち、「単
位バンク」に関しては他大学の科目の算入が60単位以内に制限され、現行の
単位互換制度の枠内にとどまることが明らかにされた。構想段階では「キャリ
ア形成のために必要と認められれば特に上限は設定しない」としていたが、設
置認可申請をめぐる文部科学省との協議の過程で、上限を定めた国の基準が制
約となったという。

 都大学管理本部の担当者は「単位互換制度と違って、大学間のレベルにとら
われず個々の授業科目を認定する。60単位の制限は最初から承知していたが、
理念として、制約があるのは望ましくないと申し上げていた」と釈明した。

 また、公立大学法人の本部を当分の間、都庁内に置く方針も示された。「都
と調整する必要がある事項も多く、運営を円滑に行うため」との理由で、理事
長室は大学構内でなく、都庁内に設置するという。【奥村隆】