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『東奥日報』2004年12月7日付 弘大医学部に本県推薦枠を導入へ 弘前大学医学部が二〇〇六年春の入学者から、推薦入学枠内に県内高校出身 者を対象にした「地域枠」を設ける方向で検討していることが分かった。深刻 な医師不足に悩む本県において、同大は県内唯一の医師供給源であり、卒業後 の県内定着率が高い地元出身学生を増やすことで、医師不足解消につなげる狙 いだ。 過去五年間の同大医学部の年度ごとの入学生をみると、県内高校出身者は十 七−二十五人で推移しており、入学生(学士入学除く)に占める割合は 21− 30%にとどまる。一方、卒業生は毎年約40%しか県内に残らない現状にあるが、 県内高校出身者に限ると70−80%がそのまま県内に残って医療従事している。 同大医学部は今春からスタートした国立大学の独立行政法人化、卒後医師臨 床研修などでこれまで以上に人手が必要になり、同大自体も深刻な医師不足に 陥っていた。 地域枠については福島県立医大など五大学がすでに設置、秋田大学医学部も 二〇〇六年度の設置を決めるなど、卒業生の地元定着を期待して導入する動き が広がっている。 弘前大医学部は地域枠創設について、文部科学省から内諾を得ている。現在 二十人の推薦入学枠を〇六年度から拡大する方針だが、そのうち地域枠を何人 に設定するかなど学内で協議しており、年明けに結論が出る見通し。 県が今春、提出した国への重点要望に同大の地域枠創設も盛り込んでおり、 北窓隆子県健康福祉部長は「地域枠設置が実現すれば、県内の高校生、市町村 にとって朗報。医師不足解消につながる有効な施策として期待したい」と話し ている。 |