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新首都圏ネットワーク


来年度以降の東京都立大学においても現行学則の適用を強く要求する
  ―東京都議会第四回定例会に向けての緊急意見表明―

2004年12月7日
 開かれた大学改革を求める会(代表 西川直子)

 昨年2003年8月より東京都大学管理本部は、都立4大学の破壊と、教育・研究
の実態を無視した新大学の設立を強引に進めてきましたが、現在開催中の東京
都議会第四回定例会では、さらにそれを制度的に一歩進めようとしています。
第四回定例会では、都立大学設置条例の廃止、新法人の定款などが諮られてお
り、それぞれに重大な問題が含まれています。

 私たちはこれまで、新大学がたとえ発足しようとも現在東京都立大学に在籍
する学生たちの権利が侵害されてはならない、という点を最も重要な主張点の
一つに据えてきました。その立場から、いま次の一点を強く訴えます。

 「現行の東京都立大学は、2010年度の廃学までの期間、たとえ新法人のもと
に置かれようとも、従来の学則のもとで運営されなくてはならない」

 これを主張する理由の第一は、従来の学則が維持されることこそが、現在在
籍する学生・院生の学習・研究上の諸権利の制度的保障を意味するからです。
開講授業から学生生活に至るまで、入学時に約束されていた条件を、いま大き
く不利益変更することは決して許されません。

 第二に、現在の学則を維持することは、人事権、総長・学部長選出などの教
授会権限を保障することであり、このことが単に「大学の自治」にとどまらず、
ひいては学生・院生の「学問の自由」に関わる諸権利の擁護につながるからで
す。

 そして第三は、学則問題は法定事項でないとして議会において不透明なまま
にされ、これまでとは性格のまったく異なる学則が現行大学にまで適用され、
東京都立大学で保障されていた学生・院生の学習・研究環境が、新法人のもと
で軽視・否定されるような事態が起こることを危惧するからです。

 私たちは、以上の理由から、東京都立大学においては2010年度までは――法
人化に伴う不可避な改訂は別として――現行の学則が適用されるよう、ここに
強く求めます。

【呼びかけ人】

飯田勇(人文・教員)/岡本順治(人文・教員)/川合康(人文・教員)/菅
野賢治(人文・教員)/小竹澄栄(人文・教員)/小西いずみ(人文・教員)/
高村学人(法・教員)/高本教之(人文・教員)/中川美和(人文・教員)/
西川直子(人文・教員)/初見基(人文・教員)/浜津良輔(理・教員)/藤
原 真実(人文・教員)/保阪靖人(人文・教員)/米津孝司(法・教員)