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『日刊県民福井』2004年12月7日付 福井大の外部資金や補助金が上昇 知的財産本部設置など 福井大学は今年四月の法人化に伴い、共同研究などによる外部資金や国の補 助金の増加を図っている。研究費の競争的配分の導入や知的財産本部の設置、 研究情報の積極的な公開などに取り組んだところ、いずれも前年度を大幅に上 回る成果が見込まれている。 (長谷川祐一) 福井大の収入は本年度、国からの運営費交付金が約百十億円、付属病院収入 が約百億円、学生納付金などが約三十一億円の見込み。法人化により、運営費 交付金は来年度から毎年0・6%ずつ減額され、病院収入は毎年2%ずつ増や すことが求められている。このため、さまざまな方策で自己収入増に取り組ん でいる。 このうち、文部科学省の科学研究費補助金(科研費)は申請に際して、過去 に多く科研費を獲得した同大教員がノウハウを伝えたほか、科研費を申請しな いと学内で重点的配分経費を申請できないようにした。その結果、本年度三百 七十件だった申請が、来年度向けは五百二十件と一・四倍に増えた。 一方、共同研究と受託研究、奨学金寄付の合計は前年度七百五十九件(約八 億円)だったが、本年度は十一月末現在で六百六件(約七億円)に達し、年度 末には件数、金額とも前年度をかなり上回る見込みとなった。 共同研究などの増加に向けて同大は今年四月、産学官が連携して活動する 「コラボ産学官」(東京オフィス)に加わりPRを推進しているほか、知的財 産本部を設置して教員の発明対価を保証。さらに、大学の研究状況をデータベー ス化して公開し、十一月には大学自体が福井商工会議所の会員になった。 同大の福田優副学長は「科研費の申請は他大学も活発で、どれだけ採択され るかが鍵。大学での研究を分かりやすく発信して共同研究などをさらに進め、〇 九年度までの中期計画を乗り切りたい」と話している。 |