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新首都圏ネットワーク


『朝日新聞』2004年12月3日付

東工大電気系、最短3年で博士に 産業界の即戦力に


 東京工業大は、大学院の電気系5専攻に、原則4年で修士・博士両課程を修
了できる「博士一貫コース」を06年春に設けることを決めた。普通は5年か
かるが、同コースでは最短だと修士1年、博士2年の計3年で修了することも
可能だ。

 博士号取得者に対し、企業は「年齢が高い」「専門性の枠にはまっている」
などの不満を抱えている。同コースでは、インターンシップや海外実習も課し、
産業界でも活躍できる「博士」の育成をめざす。

 電気電子工学、電子物理工学、集積システムなど5専攻で計約200人の定
員から、5分の1程度の新入生を同コースに選抜する。

 同大が、企業や卒業生、教員らにアンケートした結果などでは、企業に「即
戦力になる博士」への期待が高まっているのに、大学院教育の主眼は「専門性
の強化」で、コミュニケーションやマネジメントの能力を習得する機会が足り
ない実態が浮かび上がった。

 このため、同コースでは、企業トップに、学生にアドバイスする「メンター」
になってもらい、インターンシップ制度も強化する。「視野の広い人材を育て、
博士課程全体の活性化にもつなげたい」と相沢益男・同大学長は話している。