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『四国新聞』2004年11月20日付

プロジェクト研究制度立ち上げ−香大


 香川大学(木村好次学長)は、特色ある研究を重点的に支援するプロジェク
ト研究事業制度を立ち上げた。国立大学法人化で予算の裁量権が拡大したこと
を生かして、学長裁量経費から優先的に研究費を配分し、学部横断・文理融合
型の研究活動を推進。希少糖に続く大学の「看板」となる研究テーマの育成を
目指す。

 学内選考でプロジェクトに認定したテーマは、▽超高感度糖分子分析システ
ムを用いた機能性糖鎖の創製(竹川薫農学部教授)▽シグナル伝達創薬研究
(小林良二医学部教授)▽高機能マイクロ・ナノ構造デバイスの研究(大平文
和工学部教授)▽インディジナス・リソースを活用した新規園芸資源開発と地
域ブランド化(片岡郁雄農学部教授)▽香川県における自然再生型水圏環境改
善技術開発に関する研究(白木渡工学部教授)▽地域社会におけるエイジング
総合研究(上杉正幸理事・教育学部教授)の六つ。

 学術的に特色があり、複数の研究者が共同で行うことを条件に選考。▽実用
化の可能性が高い▽地域連携や産学官連携などの社会的貢献が期待できる▽研
究を通じた教育実践を計画している▽外部資金の活用度が高い―などを考慮し
て決定した。研究期間は原則として二年間。一件につき年五百―二千万円の研
究費を優先配分する。

 六つのうち新規に立ち上げるのが、高齢化社会をプラスイメージでとらえ、
高齢者の生活の豊かさを地域社会の活性化に生かす方策を探る「エイジング総
合研究」。県などと連携し、財政や医療、家族、コミュニティなどといった自
然、社会、人文科学の多方向からアプローチを試みる。

 木村学長は、「総合大のスケールメリットを生かし、世界に向けて発信でき
る創造・革新的な研究や社会問題の解決に役立つ研究を推進していきたい」と
話している。