新首都圏ネットワーク |
[AcNet Letter 210] ポーカス博士の「沈黙宣言」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Academia e-Network Letter No 210 (2004.11.21 Sat) http://letter.ac-net.org/04/11/21-210.php ━┫AcNet Letter 210 目次┣━━━━━━━━━ 2004.11.21 ━━━━ 【1】イラク意見広告の意見広告の紹介と推薦(編集人) http://ac-net.org/iik/ 【2】「都立大の危機 --- やさしいFAQ」読者のみなさまへ 「沈黙宣言」:ポーカス博士は,もうこれ以上,語りません。 岡本 順治 2004年11月17日 【3】豊島耕一「都立大学問題は条件「闘争」の段階なのか?」 http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/UniversityIssues/tmuissue.html 【編集後記】 ━ AcNet Letter 210 【1】━━━━━━━━━━ 2004.11.21 ━━━━━━ イラク意見広告の意見広告の紹介と推薦(編集人) http://ac-net.org/iik/ ────────────────────────────── No 209 で紹介しました「イラク意見広告」運動のウェブサイト 管理を協力している者としての感想とお願いです。 「意見広告」募金運動という言葉から、募金者の氏名で埋めつ くされた紙面を連想するかたもいるでしょう。しかし、世話人 会からの情報によれば、今回の意見広告は、国立大学法人法案 反対の意見広告での経験を背景に「自主報道」(*)の考えを大幅 に取り入れるようです。自主報道は大手紙の紙面を買いとって 報道活動をする、というものですが、今回は、イラク問題にか かわりのある方々のメッセージと、ネットでは常識になってい ながら大手メディアがほとんど報道しようとしないイラクにつ いての事実を、紙面が許す限ぎり「報道」する予定とのことで す。(*豊島耕一氏:改憲阻止メディアキャンペーン10万円x10万 人計画 http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/tenbillionyen.html) イラク派遣そのものに反対している人だけでなく、派遣には賛 成したが、この1年の「復興支援活動」の評価、予想を遥かに 超えたイラク戦争の泥沼化、対日感情が悪化の一途と辿ってい る現状等をふまえ、イラク特別措置法に従って自衛隊派遣を一 旦終了しイラク復興支援のありかたを再考すべき時だ、と考え るようになった人も、この自主報道の企画を支援してみません か。 紙面の詳細は週開けまでに世話人会から案内があるようです。 ところで、数百万という金額は大学関係者には大金と感じます が、豊島さんが、AFGC "Answers to Frequently Given Criticizms"のページ(*2)に、『「全国紙に全面広告を出す費用 約1千万円は高くなく,むしろ非常に安価である」という感覚 にはついて行けない.』という批判に対し、 (*2)http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/tenbillionyen/fgc.html 「発行部数で割り算すると一部あたり約2円になります.多数 の家庭にこれより安い総費用で印刷物を配達する方法がある でしょうか?」 と回答しています。1口2000円を募金することでイラク戦争報道 におけるメディアの偏向を是正する紙面を約1000 人の人々に届 けることができると考えると、その意義の大きさを実感できる のではないでしょうか。 また、「それだけの金があったら、イラクの孤児を助けろ」と いう批判に対する豊島さんの回答が、今回の意見広告への批判 にも妥当するように思います: 「一部の人ではなく市民の大多数に真実やメッセージを届ける ということのためにお金を使うということは,間違いなく有 効な,そして「神聖な」お金の使い方であると思います.民 主主義社会は真実と言論で動くものでなければならず,その 言論は,一部の人ではなく大多数の人々に届かなければなら ないのです.」 新潟中越地震の被災者の救済問題や邦人拉致事件、98年から 2002年に個人収入が17.8兆円減り企業の可処分所得が9.2兆円増 加した「不況の成果」(*)など、日本社会が看過でない問題は山 積しています。しかし、イラクに派遣された自衛隊に迫る危険 度の増大が日々加速している状況を座視することは、日本社会 にとって癒やしがたい悔いをもたらす恐れがあります。 (*)http://www3.keizaireport.com/redirect.cfm?ReportID=25217 すでに他の重大な問題に取りくんでおられるかたは引き続きそ の問題に取りくんでいただきたいたく思いますが、比較的、時 間や費用にも余裕がある方の中でイラク戦争に対する日本の姿 勢に疑問や危機感を持たれている方は、わずかでも、この企画 を支援されるようお勧めします。 ウェブサイトでは、募金予約とメッセージの記入ができるよう になっており、その時点までにオンライン予約があった募金額 総計も記載されています。意見広告運動の新しい試みともなっ ています。 募金者がオンライン登録するとは限りませんが、11 月21日10時 現在の、オンライン賛同者は76 名、メッセージ59 通、これま でのオンラインでの募金申込額の合計は485000円です。 ────────────────────────────── 振込み先: みずほ銀行 本郷支店(店番号075) 口座名義イラク意見広告の会(イラクイケンコウコクノカイ) 口座番号 普通2546754 本郷四郵便局 口座名義「イラク意見広告の会」 口座番号00110-8-704525 ────────────────────────────── 募金者メッセージより: [57] 2004-11-20 00:12:59 最後のチャンス(愛知県) 「今年の初めにイラク特措法なるものに基づき、自衛隊がイラ クに派遣されてから、いや、去年の3月に米英のイラク攻撃に いち早く支持を表明してから、日本は戻ることの非常に困難 な道への一歩を踏み出したのだと思っています。今回のイラ ク派遣の期限切れというタイミングは、その誤った方向性を 修正する、本当に限られたチャンスだと思うのです。ひょっ としたら最後のチャンスかもしれないと思い、祈るような思 いでこの意見広告に参加させていただきました。 なぜ平和憲法を持つ日本が、よりによって間違った大義名分 のための戦争に加担しなければならないのか?日本はどこへ 行こうとしているのか?日本の自衛隊に被害が出なければい い、というだけの問題ではない。国際社会の一員として、ま た、国の根幹であるべき憲法に拠って、理性的な常識ある行 動を取ることを、日本政府に切に切に望みます。」 ━ AcNet Letter 210 【2】━━━━━━━━━━ 2004.11.21 ━━━━━━ 「都立大の危機 --- やさしいFAQ」読者のみなさまへ 「沈黙宣言」:ポーカス博士は,もうこれ以上,語りません。 岡本 順治 2004年11月17日 http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/pocus-declares.html ────────────────────────────── #(転載) 「ポーカス博士」と「ほーかす君」の対話という形式で1年以上書 き続けてきましたが, 本日をもって,この対話を終了させること に致しました。以下,その主な理由をす。 【都立大問題の質的変化】(最大の理由) 都立大と東京都(大学管理本部)の対立の図式は,いわゆる条件 闘争の段階に入っています。条件闘争に関する中身は,時時刻刻 と変化し,その具体的内容を書くと直接的に条件闘争に影響を与 えることが予想されます。条件闘争をする側の論理は理解できま すが,根本的なところで戦わなければ無意味だと私は考えます。 おそらく,このページの読者にも,このような条件闘争の報告を しても,ただ落胆と失望の感を与えるだけでしょう。乱暴な言い 方をすれば,「意見の違う者同士が,手打ちをする」(信じられ ないような妥協をする)ということです。このような状況を,ポー カスはいちいち取り上げて両方を非難する気はありません。 例えば,東京都側が「単位バンク」をやる,と言っても,大学側 では,「実質的な内容を変える」ことを目指して交渉しています。 これは,うまくやれば「単位バンクという名前は残っても,中身 はない」という状況を作り出すことができます。そうすると,都 知事とか役人は「単位バンク」を作ったと主張できますし,大学 側は,あれは中身はないんだ,と説明できます。 【研究への復帰】(第2の理由) ポーカスとほーかす君の対話を毎日書くためには,非常に多くの 下準備が必要です。情報を入手してから,噂話としてすぐに書い てしまうこともありますが,大抵は裏をとり,情報を集め,関係 者と直接・間接的に公開できる範囲を打ち合わせたりします。過 去1年強の間,毎日数時間このために費やしてきましたが,その ために自分の研究が進展しないままになっています。それほど最 先端のことを研究しているわけでもありませんが,他の研究者が 自分の書く予定だった内容に極めて近い内容の論文を発表してい るのを見ると,非常にくやしい思いがします。研究のために購入 した本も山積みになっており,そろそろ本格的に研究生活に戻ら ないと,私も淘汰されてしまいます(「人文科学の研究者は,ろ くに大学にもこないで遊んでいる」という言葉を聞くことがあり ますが,それはステレオタイプ的な妄想で,私の専門分野でも競 争は存在します)。自分でも,十分な研究ができない状況に対し て,ストレスがたまりつつありますし,手をつけたいseedsがたまっ ています。 他方で,私は,この「やさしいFAQ」に取られた時間を後悔してい るわけではありません。このようにさまざまな人達に語りかけ, 読んでもらえる場を持てたことは,私にとって貴重な経験でした。 何よりも,実世界での反対活動に空間的制約からなかなか関与で きなかったため,私の精一杯の闘争だった,と言えるでしょう。 これからも,黙っていない大学人として生きて行きたいと思いま すが,研究と教育に時間をかける生活に復帰することを決心しま した。 【健康上の問題】(第3の理由) 2003年8月1日以前は,規則正しい生活と適度なスポーツをしてい たのですが,昨年9月以降,この「やさしいFAQ」を書き始めてか ら,生活のリズムが徹底的に変わってしまいました。その結果, 昨年末から今年初めにかけては病院通いを余儀なくされ,一ヶ月 前の人間ドックでも2つ再検査のお墨付きをもらってしまいまし た。このままの生活では,再検査に行く時間すらとれないという 状況です。慢性的な睡眠不足,運動不足を解消し,もう少し健康 な状態に戻りたい,と思っています。 ────────────────────────────── 以下では,言い残したいくつかの点に言及します。 【ポーカスは負けたのか?】 2004年11月14日の「都民の会」での報告で話したように,現状で は都立大学は惨敗,そしてポーカスも負けた,ということになり ます。「東京都から教育を変える」と叫んだ石原慎太郎東京都知 事の強権ぶり,その暴言の数々には呆れるばかりですが,その影 響は残念ながら全国に飛び火しています。横浜市立大学だけでな く愛知県立大学でも,「改革」と称した「大学解体」が進んでい ます。なんとしても,これらの流れを止めなければなりません。 しかし,この一年あまりの間に痛切に感じたのは,大学の教員の 中にも,「自分の研究ができればそれでよい」,「自分の研究の ための資金が調達できればそれでよい」とする研究者が多く存在 すること,「大学なんてどうなっても自分の卒業だけ保障されれ ばいい」と考える学生が多く存在することが一番の大きな障害だっ たと言えるでしょう。私も,自分が潰される分野に属していなかっ たら,これほど運動に徹することができたかどうか,疑問でもあ ります。 今回の運動の中で,「他人事として傍観している罪」というのを 身を持って体験しました。世の中には様々な不条理と戦っている 人達がいます。そのような人達は,社会の中では少数派に属しま す。そして,情報化が加速する中で,指導者層はますます力をつ け,簡単に多くの人達の意向を無視して「改革を断行」できる状 況になっています。もやは,黙っていては駄目なのです。どこか らも,スーパーマンやウルトラマン(古くてすいません)のよう な正義の使者はやってきません。指導者層は,何か新たなことを やる時に,「これは改革だ」と叫ぶでしょう。「反対する者は, 保身である」と言うかもしれません。これと戦うには,一人では できません。多くの人々が集まって、綿密に計画を練って対抗し ていかねばなりません。 それでも,ポーカスはまだ最終的に負けてはいない,と思ってい ます。それは,都立4大学の統合形である「首大」の学則がまだ できあがっていないこと,地方独立行政法人の定款が決まってい ないこと,法人への就任承諾書がまだ控えていること,一年後の 新たな構想に基づく大学院の設置審査があること,そこでもまた 就任承諾書を求められることが予定されているからです。そこで も,都立4大学の教員は,反対の意思を明確に示すチャンスがあ ります。最終的な決着はまだです。 「首大」が2005年4月に出来上がっても,その基本構想の間違い,制 度的間違い,教育に対する誤解は,やがて厳しい社会からの評価 にさらされることでしょう。そこで,最後の審判が下されます。 ポーカスは,「首大」のような構想の大学は,やがて社会の厳し い評価の元で滅ぶと予想します。もし,「首大」が今の構想のま ま大学として成立し,受験生や社会,大学の研究者や教育者に高 い評価を得ることがあれば,ポーカスは自らの負けを宣言します。 望むらくは,教育・文化・福祉に広く深い見識を持った知事が登 場し,「首大」も新たなスタートが切れるとよいのですが。 【今後の予定】 今後も,「緊急情報」の欄と「資料集」に関してはできる限り続 けていくつもりです。「新聞・雑誌記事」のコーナー,「声明」 のコーナーも私がやっていますが,これも多分続けていきます。 時間さえ許せば,kubidai.comの方に,投稿することは考えていま す。 私は,3月で退職し,転出します。この「やさしいFAQ」は,どこ か他のところへ引っ越す予定です。これからも(少なくとも2005 年3月までは),非就任者として,都立大で起っていることを記録 し,公表し続けるつもりです。それが,このような惨事を二度と どこかで繰り返させないための重要な資料となる,と考えるから です。 【反省】 「ポーカス博士」と「ほーかす君」の対話という形式は,分かりや すさを念頭において作り出した苦肉の策です。「一人芝居」は, 一面で問題への切り込みを分かりやすくしましたが,いったい誰 がこのような主張をしているのか,という点で責任逃れのように 感じられた方もおられるのではないでしょうか。このような形式 をとったがゆえの問題だったと反省しています。 さらに,それぞれの質疑応答に最終更新日をつけるべきだったと いうのも,大きな反省点です。どの時点で有効な話なのかを明ら かにするためです。最初は,常に全体を新しく保とうとしたため に,各応答に更新日をつける必要を感じませんでした。思いきっ て,blog のように,時系列で並べてしまった方がよかったかもし れない,と考えたこともあります(実際,後半部分では,時系列 でシリーズが組まれました)。 【感謝の言葉】 当初,都立大の学生を意識して「やさしいFAQ」を書き始めました。 「問題のありかが分からない」,「やさしく解説して欲しい」と いう要望が学生からあったのがその理由です。しかし,だんだん と問題は拡大していき,都立の4大学全体の問題,東京都の教育 介入の問題,日本全国の国公立大学の問題と際限なくテーマが広 がっていってしまい,結局,そんなに「やさしい」ものではなく なり,膨大な量になってしまいました。 一部,誤解されている方もおられるようなので,ここで明言して おきますが,「やさしいFAQ」を書き始めたきっかけも,書き続け たこと自体も,人文学部の執行部とは全く無関係です。この「や さしいFAQ」は,私個人の思いつきであり,情報はさまざまな人か ら提供してもらいました。人文学部の内部の方だけでなく,都立 大の他学部の教員,学生や院生,科学技術大学の教員,学生,そ の他学外の方などです。情報提供をして下さった方々に改めてお 礼を申し上げます。時には間違いを指摘して下さった方々にも, 感謝しています。自分では間違いに気づかなかったようなことも, それらの人々の指摘により訂正することができました。激励のメー ルもたくさん頂きました。それらの激励がなかったら,ここまで 続けてこれなかったと思います。有難うございました。 【最後に】 ポーカス博士は,私と等しい関係にはありません。私が電脳空間 に存在させた,架空のキャラクターです。ほーかす君も,実世界 にはいません。実世界の私と出会って,私のことをポーカス博士 と呼ばないようにして下さいね(私がポーカスと似たキャラクター だと思うのは自由ですが)。 今後,このポーカス博士と似たような人物が,都立大の中から再 び生まれ,情報を発信していってくれるといいのですが。 最後に,書こうと思っても情報が集まらずに,うまく書けなかっ た噂話を列挙します。噂ですので,信じないように(いつものパ ターンです)。 「単位バンク」は初年度は試行するだけらしい。「単位バン ク」は,当面は学内の授業だけを対象にするらしい。任期制・ 年俸制も形だけで,年俸制なんてすぐに実現できないらしい。 各種評価委員会が作られても,実質,ほとんど何の評価もで きないらしい。インターンシップを全学年で導入なんてでき ないらしい。ナノテクセンター構想はつぶれたらしい。オー プンユニバーシティ参加予定の短大教員は,「面白い講座を 開け!」とカツを入れられたらしい。飯田橋のオープンユニ バーシティの授業をやる予定の建物には,教育用の設備は何 もないらしい。未来塾は,たった2年間の重点事業らしい。 管理本部の職員は,3月で移動になるから,山積みの仕事もそ れほど苦にならないらしい。管理本部で都立大担当の人は、 「その他」係りで,たった3人らしい。西澤学長予定者の大 学紹介に寄せた文章は,管理本部が一所懸命に修正したもの らしい。Hocuspocus, hocuspocus! ━ AcNet Letter 210 【3】━━━━━━━━━━ 2004.11.21 ━━━━━━ 豊島耕一「都立大学問題は条件「闘争」の段階なのか?」 http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/UniversityIssues/tmuissue.html ────────────────────────────── (以下の投稿にわずかに加筆したものです.)最終改訂 04.11.20 Date: Tue, 16 Nov 2004 12:10:54 +0900 To: he-forum@ml.asahi-net.or.jp From:(TOYOSHIMA Kouichi) Subject: [he-forum 7780] 都立大の問題は全大学人の問題 佐賀大学の豊島です. 都立大学の問題についてです.これだけひどいことがで起こってい るのに,全国の同僚がほとんど声を上げていないに等しいのは奇妙 な事です.著名人学者もこの問題で“noblesse oblige”をほとんど 果たしていないように思われます.私は,独法化問題は私学や公立 大も無関係ではないと主張しましたが,今度は逆に国立大学関係者 の姿勢が,その時と同じ理由で問われていると思います.同じ「過 ち」を繰り返すべきではないでしょう.連帯した何らかの効果的な 活動を早急に始めるべきではないでしょうか. 文部科学省の「認可」で闘いが終わったと思っている人が多いのか もしれませんが,つまり条件「闘争」しか残っていないと思われて いるかもしれませんが(これは全大教の得意とするところ),しか しそれにしては余りにもコトが重大すぎます.具体的には書けませ んが,まだ「首大」をつぶす戦術は残されているのではないでしょ うか. ポーカス博士の次の記事に書かれていることで気になることがあります. Z-13 2004年11月14日に三省堂ホールで開かれた 「都立の大学を 考える都民の会」の集会はどうでしたか? http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/kiki-z.html#tominno-kai この中に次のような参加者の発言が紹介されています. 「教員主体で『首大』の開学準備が進んでいる.」「無理やり管 理本部が強制しようとしてもできないことが次第に 明らかになり, 現場の教員がこれまで大学で行われてきたやり方で, 新たに提案 をし,仕事をこなしている.」 これはまさに,独法化推進の心理作戦としての「中期目標」の事前 作成を想起させます. よく調べたわけではないので間違っているかも知れませんが,「ユ ダヤ人評議会」という話を聞いたことがあります.これがナチスの ユダヤ人支配を「自主的に」支援する機能を持った組織だったとい うのです.独法化の中期目標「自主」作成の場合も,都立大の「教 員“主体”の開学準備」も,要するに「ユダヤ人評議会」ではない のかと思われます.独法化問題の大詰めを迎えていた02年の全大 教岡山教研で私は「中期目標」作成加担を批判しましたが,会場で これがほとんど「浮いて」いたことが思い出されます.この私の発 言もやはり「浮く」のでしょうか? ───────────────────────────── あらゆる運動にヒントと勇気をもたらす反核運動の「教科書」 「トライ・デンティング・イット ハンドブック」日本語訳刊行 A4サイズ 213ページ,図版入り,一部千円(送料別) 注文は豊島まで. toyoアットcc.saga-u.ac.jp,電話/ファクス 0952-28-8845 (住所をお知らせいただければ振り込み用紙同封で直送します.) 関連ウェブサイト http://www003.upp.so-net.ne.jp/maytime/goilsupt.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【編集後記】都立大学の無惨な独立行政法人化の様子に「それ にくらべると国立大学法人制度は随分良かったではないか」、 というように感じる国立大学関係者は少くないかもしれない。 実は、そのような雰囲気を醸成することこそが、このような 「大学改革」を文部科学省が「地方自治の尊重」などと言いつ つ認可した本音であろうと推察しているが、どうであろうか。 そうだとすれば、都立大学は、いわば、国立大学法人制度を安 定させるための踏み台にされたことになる。 しかし、首都大学東京よりましだからといって国立大学法人制 度がよいことにはならない、首都大学東京が問題にならないほ どひどいからである。また、石原氏のような人が文部科学大臣 になれば、都立大学と同様の「改革」が国立大学法人全体を覆 うことに対する歯止めは国立大学法人法にはない。 都立大の方々がこの1年に展開された戦いは学問の独立性を証明 するものとして歴史に残ると思う。しかし、今の流れから予想 される通り、役所が大学を文字通り力で捻じふせることにわず か1年余で成功した、ということで終るならば、その例は、日本 の大学界の将来に暗い影を投げかけるに違いない。 役所に支配された大学は、教員の流出による弱体化を避けるこ とは難しい。伝統ある大学の衰退によって日本社会が受ける損 失は、目には見えないものかもしれないが、決して小さいもの ではない。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 編集発行人連絡先: admin@letter.ac-net.org 趣旨:http://ac-net.org/letter/ ログ:http://ac-net.org/letter/log.php #( )内は編集人コメント、「・・・・・」は編集時省略部分 登録:http://letter.ac-net.org/s.php 転送歓迎(転送時に:http://ac-net.org/letter 併記希望) |