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『信濃毎日新聞』2004年11月19日付

信大が企業連携協定初締結 工学部とオリオン機械で 


 オリオン機械(須坂市)と信大工学部(長野市)は十八日、産学連携の共同
研究を進めることを狙いに、包括的連携協定を結んだ。約百六十人いる工学部
教官の研究シーズ(種)と同社のニーズをつなげ、共同研究テーマを設定。新
技術の開発や市場調査で協力し、新事業の創生を目指す。

 信大が企業と連携協定を結ぶのは初めて。連携事項には、教育や人材育成、
インターンシップなども盛り込んだ。近く、研究テーマを検討する連携協議会、
技術者や研究者を派遣しあう「技術教育ゼミナール」を開き、交流を本格化さ
せる。協定の期間は三年間で、効果が上がれば再締結する。

 共同研究の分野は未定だが、環境面に配慮した産業機械製造、ナノ技術、精
密な計測法などを想定。オリオン機械が主力とする産業機械製造以外の研究も
視野に入れる。共同研究の形態や資金調達先は随時検討するとしており、特許
など知的財産は技術移転機関の信州TLO(上田市)が調整する。

 この日は、オリオン機械の太田哲郎社長と、信大の野村彰夫工学部長が長野
市内で協定書に調印。太田社長は「企業一社だけで技術開発を行うのは難しく
なってきた。長期的な研究戦略を立て、競争力ある商品づくりを進めたい」。
野村学部長は「大学の研究と、民間企業の実用化研究は違う。学生の質を高め
ることにもつながる」と話していた。

 同学部は条件が整えば、他社とも協定を結ぶ意向だ。信大事務局によると、
独立行政法人化した今春以降に結んだ連携協定はこれまで四件。人文学部と南
安曇郡穂高町、大学全体と飯山市、長野市、塩尻市がそれぞれ締結している。