トップへ戻る   以前の記事は、こちらの更新記事履歴
新首都圏ネットワーク


『朝日新聞』2004年11月10日付

「赤門印」の泡盛・脱臭シート…、東大が研究生かし発売


 東京大学は学内の研究成果を活用して作った商品に、商標をつけて発売する
ことを決めた。13日に本郷キャンパスの赤門脇に開業する「コミュニケーショ
ンセンター」で、文房具や雑貨など42点を陳列販売する。戦禍を免れて研究
室に保存されていた黒麹(くろこうじ)菌で造った泡盛、光触媒技術を利用し
た脱臭シートなど独自性のある品を集めた。

 国立大学の法人化で、親しみやすさを訴えようと企画した。竹原敬二副理事
は「敷居を低くして東大の魅力を学生たちと一緒に宣伝したい」。これまでは
生協が東大ブランドのまんじゅうなどを売っていたが、大学当局が売り出すの
は初めて。コミュニケーションセンターは1910(明治43)年に人力車車
庫として造られたれんが造りの建物を活用する。

 目玉商品の一つ、泡盛「御酒(うさき)」(4200円)は故・坂口謹一郎
名誉教授が採取した黒麹菌が原料。沖縄戦で失われた黒麹菌が東大で保存され
ていたことから、64年間を経て復元に成功した。先端科学技術研究センター
の橋本和仁教授らが開発した酸化チタン光触媒シートは週刊誌大2枚組みで5
00円。冷蔵庫や靴箱の脱臭に利用でき、天日で干せば再利用可能という。

 北海道の演習林の木材で作ったペン立て(1100円)や竹炭(400円)
もある。問い合わせは03・5841・1046。