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よみうり教育メール 2004年11月12日付 鳥取大が民間企業との共同研究を推進(鳥取) 今年四月に「国立大学法人」として再出発した鳥取大(鳥取市湖山町南)が、 企業との共同研究を進めている。法人化によって、国からの交付金が減る見通 しであることから、研究の質を落とさないためにも外部資金を獲得するのが目 的。十二日、大学で開く「産学官連携フェスティバル」では、初めて県とタイ アップ、行政の協力も得て財政基盤の強化を図っていく。 法人化後、授業料や付属病院収入などの歳入で補えない歳出部分は、国の交 付金を受けられるようになり、年間運営費約300億円のうち130億円を占 めている。しかし、交付金は毎年1%ずつ削減される見通しで、減額分を研究 費の切り詰めで対応していくしかないのが現状。 そこで、研究の質を落とさないため、共同研究や仕事を丸ごと請け負う受託 研究で企業から入る外部資金に狙いをつけた。 企業との共同研究は一九九三年度、産官学連携の窓口として地域共同研究セ ンターを設立して以降、九九年度まで二十一―三十七件の間で推移した。学部 の壁を超えた十五分野に研究者を振り分け「共同研究推進機構」を設立した 二〇〇〇年度に四十件を超え、昨年度は百五件と初めて大台を突破。共同研究 では、企業が約8300万円を拠出した。ほかに受託研究も五十八件あり、約 1億6900万円の収入を得た。 この流れをいっそう進めるため、今年十月、「産官学連携推進機構」を新設。 若手研究者が新産業の創出につながる研究をする「ベンチャー・ビジネス・ラ ボラトリー」や研究成果を保護・活用する「知的財産センター」、地域共同研 究センター、生命機能研究支援センターの計四組織を統括し、企業の受け入れ 体制を一本化するもので、来年度の共同研究は二百件を目標にしている。 さらに、今年度中に東京と大阪に事務所を設置、県外企業にも呼びかける方 針だ。 十二日午後一時四十五分からの「産学官連携フェスティバル」は、同大や県 だけでなく、ほかの大学や短大、企業なども参加。研究者約二百人が発表し、 産業界にアピールする。 岩崎正美・産官学連携推進機構長は「運営費交付金が毎年減額される厳しい 情勢なので、共同研究や受託研究を積極的に導入し、外部資金を獲得したい。 産官学の連携で、地域貢献や研究の活性化にもつながる」と話している。 |