トップへ戻る   以前の記事は、こちらの更新記事履歴
新首都圏ネットワーク


『朝日新聞』山口版 2004年11月11日付

山口大・山口銀行 産学連携強化へ


 山口大(本部・山口市)と山口銀行(本店・下関市)は10日、研究や情報
の交流を行い、産学連携の強化を目指す包括的連携協力協定を結んだ。当面は
09年3月末まで。

 まず、双方の代表3人ずつで組織する「連絡協議会」が、研究テーマなどを
設定。国際関係や事務の効率化などで個別テーマが決まると、専門職でつくる
ワーキンググループが担う。

 産学連携では、銀行の支店網を活用し、地場企業の技術相談や共同研究に乗
り出す。人材交流では、学生のインターンシップのほか、教職員や銀行員の相
互研修を行う。銀行側から非常勤講師を招くことも視野に入れている。また、
山口大が東アジアの研究に力を入れ、山口銀行も中国の青島や大連に支店を構
えていることを生かし、情報の共有化を図る。

 山口大は、98年から4年間にわたり山口銀行が出資する寄付講座「産業創
造」を開設。山口銀行も、山口大や県と協力して97年に「ヤマグチ・ベン
チャー・フォーラム」を立ち上げ、中小企業の育成に向けた研究や講演会を行っ
ている。今年4月に山口大が国立大学法人化し、山口銀行をメーンバンクと指
定した。

 山口市のホテルで開かれた調印式で、山口大の加藤紘学長は「地域への貢献
は大学としての使命で、ニーズを知るためにも銀行が持つ情報を活用したい」
と意欲を見せた。山口銀行の福田浩一頭取は「地域活性化のために独創性のあ
る試みに取り組む」と話した。

 山口大は同様の協定を宇部興産(宇部市)、トクヤマ徳山製造所(周南市)
とも結んでいる。