新首都圏ネットワーク |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Academia e-Network Letter No 204 (2004.11.06 Sat) http://letter.ac-net.org/04/11/06-204.php ━┫AcNet Letter 204 目次┣━━━━━━━━━ 2004.11.06 ━━━━ 【1】ニューヨークタイムズ10/28「イラクへの自衛隊派遣は、規 模は小さいけど、自衛隊を軍隊にするために推し進めている」 blog シルエットdays「 日本の国益」 より http://www.nytimes.com/2004/10/28/international/middleeast/28iraq.html 【1-1】小泉首相への公開書簡 イラクから帰国された5人をサポートする会 世話人会 http://ac-net.org/honor/doc/0411105-koizumi.php 【1-2】京滋地区私立大学教職員組合連合 小泉首相への抗議声明 http://www.bekkoame.ne.jp/~kfpu/ http://university.main.jp/blog/archives/002225.html 【2】都立大の危機 --- やさしいFAQ より http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/kiki.html 【2-1】[O-13]東京都が開設する「未来塾」って何ですか? http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/kiki-o.html#miraijuku 【2-2】[Z-11] 教員の昇任人事が終わったら,教員の補充人事がで きるという噂を聞いたのですが,どういうことなんでしょう か? http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/kiki-z.html#k-shounin-hoju 【2-3】[D-12] 2004年11月1日発売の「エコノミスト」に西澤学長予 定者のインタビューが載っているという話ですが,どんな話 ですか? http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/kiki-d.html#toshikougaku-da 【2-4】the Tokyo U-club 発起人名簿(155名) http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/tuc-hokkinin.html 【3】ファルージャの市民代表からアナン国連事務総長宛メッセージ http://www.stopwar.org.uk/article.asp?id=241004 http://ac-net.org/honor/doc/041103-to-sandousha.html 【3-1】バクダッドの医者からのメール http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/irohira-co0011.html http://reishiva.exblog.jp/783256/ 【4】アレゼール第二回シンポジウム 2004.11.3 「大学が市民社会のチカラとなる」 http://www.h4.dion.ne.jp/%7Esoki/colloques.html 【5】照会:不買運動の研究について 【5-1】「ピースチョイスー平和のための選択」サイトより http://www.3chan.net/~peacechoice/ ━ AcNet Letter 204 【1】━━━━━━━━━━ 2004.11.06 ━━━━━━ ニューヨークタイムズ10/28「イラクへの自衛隊派遣は、規 模は小さいけど、自衛隊を軍隊にするために推し進めている」 blog シルエットdays「 日本の国益」 より http://ch.kitaguni.tv/u/5068/%c6%fc%cb%dc/0000142561.html ────────────────────────────── 抜書き...『ニューヨークタイムズ紙 が、日本の自衛隊イラク派遣 についてこう記事を書いています。「日本のイラクへの自衛隊派遣 は、規模は小さいけど、自衛隊を軍隊にするために推し進めている のであり、また、国連常任理事国入りを働きかけるにあたり強い外 交上の意味を持つものだ。」』 "Though small, the deployment holds strong diplomatic significance for the Japanese government, which is pushing to transform its Self-Defense Forces into a real military and has lobbied for a permanent seat on the United Nations. Security Council." http://www.nytimes.com/2004/10/28/international/middleeast/28iraq.html Captives, Japanese and British, Plead for End of Occupation ────────────────────────────── 【1-1】小泉首相への公開書簡 イラクから帰国された5人をサポートする会 世話人会 http://ac-net.org/honor/doc/0411105-koizumi.php ────────────────────────────── #(小泉首相宛てとマスコミ各社にも送信された文書) 2004年11月5日 内閣総理大臣 小泉純一郎 殿 香田証生さんの死を悼み、イラクと日本の平和・安全のために 日本政府のイラク政策の再検討を要望します イラクから帰国された5人をサポートする会 世話人会 1.去る10月31日、無事解放を願うご家族と国民の思い、救出のた めの運動もかなわず、香田証生さんの痛ましい遺体がバグダッドで 発見されました。証生さんのお母さんが話されたところでは、「証 生」という名前の由来は「生きて証しをする」ということだそうで す。にもかかわらず、まだ24歳の証生さんがお母さんの言葉通りに 「生身の人間として平和のために微力を尽くす」社会人に成長され る機会が絶たれてしまったことは痛恨の極みです。ここに心より哀 悼の意を表し、ご冥福をお祈りいたします。 と同時に、私達は、人間の命を交換条件にした政治的主張は、それ がどのような動機、内容であるにせよ、卑劣な手段であり、決して 許すことはできません。また、そうした卑劣で残忍な行動は平和を 願うイラク国民の意思と無縁であり、今回の事件によって日本国民 のイラクの人々への友好の気持ちが揺らぐことはあり得ません。 2.ところで、事件発生の第一報を受けた小泉首相は早々と、「自 衛隊を撤退させない。テロに屈してはならない」と公言しました。 しかし、いかに卑劣とはいえ、犯人グループが48時間以内に自衛隊 を撤退させなければ香田さんを殺害すると明言し、前例に照らして そうした予告が実行される可能性が高いと予見できたにもかかわら ず、無造作にこうした発言をしたのでは香田さん解放へ向けた交渉 の可能性を絶つ結果になるばかりか、香田さんの命を見捨てたのも 同然です。国民の生命と安全の確保を使命とする政府を代表する人 物の発言として、これほど冷酷で無策なものはあるでしょうか。私 たちは、一国の総理としての資質を欠いた小泉首相のこうした言動 に強く抗議します。 3.この時期にイラクへ出かけた香田さんの行動については、その 動機を含め、議論の余地はあるでしょう。しかし、問題の根源に冷 静な目を向ければ、アメリカ政府が「テロとの戦い」を錦の御旗に した「掃討作戦」で多数のイラク国民を殺傷すればするほど、イラ ク国民の反米感情は高まり、過激な武装集団の活動の土壌を拡大さ せています。そして、それを口実にアメリカ軍がさらなる攻撃を仕 掛けるという悪循環に陥っているのが現実です。 これに対して、日本政府はアメリカ政府に呼応して「テロに屈する な」という常套句を繰り返し、12月14日に期限切れとなる自衛隊の イラク派遣を延長する政府案を早々と作成しました。その案には、 現地での迫撃砲などによる攻撃に備えたレーダーを新たに配備する 計画も盛り込まれています。げんに、31日にはサマワの自衛隊宿営 地にロケッド弾が撃ち込まれるという事態に至っています。これで も小泉首相は自衛隊派遣を「非戦闘地域での人道支援」と強弁する のでしょうか?これほど、国民に犠牲と危険を強いてまでも継続し ようとする自衛隊派遣の大義とは何なのでしょうか?イラク各地へ の武力攻撃を繰り返すアメリカ政府を支援しつつ、その武力攻撃で 破壊されたイラク復興支援のため、自衛隊を派遣するというのは変 ではありませんか? 小泉首相、あなたは多くの国民のこうした疑問に答える説明責任を 負っています。そして、その説明が誠意と理性に基づくものなら、 日本政府の対イラク政策を再検討するという結論に行き着くのが必 然だと私たちは考えます。 以 上 ────────────────────────────── 【1-2】京滋地区私立大学教職員組合連合 小泉首相への抗議声明 http://www.bekkoame.ne.jp/~kfpu/ http://university.main.jp/blog/archives/002225.html ────────────────────────────── 小泉首相殿 イラクの人質殺害事件に対する日本政府への抗議声明 10月31日未明、 イラクで武装勢力に拘束された香田証生さんが殺 害されたことは、いかなる人々のいかなる理由によるものであれ重 大な犯罪行為です。私たちは心からの悲しみと怒りを込めて、この 非人道的な行為に強く抗議します。 同時に、今回の不幸な事態を招いた最大の原因は、小泉首相と日本 政府による米英のイラク攻撃支持、そして自衛隊のイラク派兵にあ ることは明らかです。本来、米英によるイラク攻撃を正当化する最 大の理由となった大量破壊兵器が、実は存在しなったことをアメリ カ政府自身が認めた時点で、この戦争が誤りであったことは誰の目 にも明白です。 しかし、その後もイラク攻撃の正当性を主張する小泉首相の論理は、 完全に破綻しているばかりか、その誤った判断によって5人もの日本 人が殺されたことについて、小泉首相は日本の代表として責任があ ることを認めるべきです。 私たちは、今こそ自衛隊をイラクから即時撤退させることを強く求 めます。 2004年11月1日(月) 京滋地区私立大学教職員組合連合 執行委員長 細川 孝 ━ AcNet Letter 204 【2】━━━━━━━━━━ 2004.11.06 ━━━━━━ 【2】都立大の危機 --- やさしいFAQ より http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/kiki.html ────────────────────────────── 【2-1】[O-13]東京都が開設する「未来塾」って何ですか? http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/kiki-o.html#miraijuku ────────────────────────────── [ 抜書き.."10月に入って一通のメールが舞い込んだ。そのまま 紹介する訳にはいかないので,名前は伏せさせてもらったが, まずは次のメールを読んで欲しい。『A高校の3年生B君は、 4月以来「未来塾」に時間割をやりくりして通っていました。 2学期になって希望学科を決定する段になり、彼は「首都大学 東京」のあるコースを希望しましたが、他にも希望者がおり、 そこへは進学できないと言われました。一時は「首都大学東京」 への進学をあきらめましたが、「未来塾」へ通っていたため受 験勉強はほとんどできず一浪を覚悟しました。「未来塾」は毎 週大学並みの論文課題が出され、長期休暇中も講義やボランティ アへの参加を義務づけられているうえ、学校の成績を下げては ならないと言われており、一般の受験勉強をする余裕はありま せんでした。B君の通っているA高校から抗議や交渉を行いま したが、結果的には本人が妥協し「首都大学東京」別のコース に進学することにしました。/今年度の「未来塾」の説明会で はこのような問題も含めて様々な問題点が各高校から出された ようです。A高校でも「首都大学東京」の現状もあり来年度の 「未来塾」への参加を再検討中です』" ] 【2-2】[Z-11] 教員の昇任人事が終わったら,教員の補充人事がで きるという噂を聞いたのですが,どういうことなんでしょう か? http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/kiki-z.html#k-shounin-hoju 【2-3】[D-12] 2004年11月1日発売の「エコノミスト」に西澤学長予 定者のインタビューが載っているという話ですが,どんな話 ですか? http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/kiki-d.html#toshikougaku-da 【2-4】the Tokyo U-club 発起人名簿(155名) http://www.bcomp.metro-u.ac.jp/~jok/tuc-hokkinin.html ━ AcNet Letter 204 【3】━━━━━━━━━━ 2004.11.06 ━━━━━━ ファルージャの市民代表からアナン国連事務総長宛メッセージ http://www.stopwar.org.uk/article.asp?id=241004 http://ac-net.org/honor/doc/041103-to-sandousha.html ────────────────────────────── #(http://ac-net.org/honor/doc/041103-to-sandousha.html の説明: 「翻訳・紹介者はストップ・ザ・ウォー連合(Stop the War Coalition ) 」に関係しておられるロンドン在住の日本人です。 その方にによると、このメッセージは、イギリスのストップ・ザ・ ウォー連合ブリストル支部に届いたものを「911を追求する組織」 がニュースレターの中で紹介したもので、転送・転載歓迎とのこと です。 2004.11.3」 ######################### アメリカ軍がイラクで毎日、大量虐殺を続けていることは、証拠 を提出するまでもなく明らかです。そして、この手紙を書いてい る今、アメリカはファルージャの街に対して、この大量虐殺を実 施しています。アメリカ軍は自らが保有する中で、最も破壊能力 の高い爆弾をファルージャの市民に向け投下し、罪のない多くの 人々をを殺傷しているのです。そして地上では、アメリカ軍の戦 車が、激しい砲撃で街を破壊しています。 ご存知のように、ファルージャ市の代表とアラウィ政権との間で 交渉が続いているため、現在ファルージャに軍は駐留していませ ん。またここ数週間、抵抗勢力も行動を控えています。 しかし、新たな爆撃は、イスラム教の断食月ラマダンで、人々が 断食をしている時に開始されました。その結果、多くの市民が、 瓦礫の中に埋まり、外からの援助も断ち切られている状態です。 10月13日の夜、アメリカ軍は爆撃機1機で、民家50件を破 壊、多くの人を殺害しました。これは大量虐殺という犯罪行為で はないのでしょうか、それともアメリカ民主主義の教訓なのでしょ うか。アメリカ軍は、占領を認めさせるために、ファルージャの 人々に対しテロ行為を繰り返しているのです。 あなた(アナン事務総長)は、アメリカとその同盟国が、大量破 壊兵器の脅威を口実に、私たちの国の破壊を続けて来たことをご 存知のはずです。彼らは自らの大量破壊兵器を用い、多くの市民 を殺害しました。そして今になって、イラクに大量破壊兵器はな かったことを認めています。しかし、彼らは自分たちが犯した罪 については口にしようとしません。世界中が沈黙しているのです。 イラクの一般市民を殺害することすら非難の対象にならないので す。アメリカは、1991年の戦争の後、イラクに賠償金の支払 いを強制しましたが、今回アメリカはイラクに賠償金を支払うで しょうか。 私たちの住んでいる世界はどうやら、二つの異なった基準がある ようです。ファルージャでアメリカとその同盟国はアル・ザルカ ウィという新しい、正体不明の標的を作り出しました。ザルカウィ はアメリカの犯罪行為を正当化する新たな口実です。この新しい 人物は一年前に、でっち上げられました。そして、その一年の間、 アメリカは民家、モスク、レストランを攻撃し、女性、子供を殺 害しました。そして、常に「われわれは、アル・ザルカウィに対 する攻撃を成功裡に遂行した。」とだけ言い、決して、ザルカウィ を殺したとは言いません。言えない筈です、ザルカウィなど実在 しないのですから。 私たちファルージャの住民は、この人物が市内にいないことを保 証します。そして、多分イラク国内にいることもないでしょう。 私たちは、これまで何度も、「誰でもいいから、ザルカウィを見 かけたら、殺せ」と訴えてきました。しかし、今、ザルカウィは アメリカがでっち上げた幻だということがわかりました。私たち の代表は、これまで繰り返し、市民の誘拐や殺人を非難してきま した。私たちは、非人間的なことをしているグループと何のかか わりもありません。ファルージャに対する犯罪行為をやめ、軍を ファルージャから撤退させるよう、あなたそして世界の指導者が ブッシュ政権に大きな圧力をかけることを要請します。 ファルージャからアメリカ軍が一時撤退した後、ファルージャは 平和で静かな街となっていました。混乱はまったくありませんで した。資金不足にもかかわらず、街の文民行政もうまく機能して いました。私たちの唯一の犯した「罪」は、占領軍に来てほしく ないと主張したことのようです。しかし、占領に反対するという ことは、国連憲章そして国際法、また人間としての常識に照らし 合わせてみても、私たちが持つ当然の権利のはずです。 今、あなた、そして世界の指導者が、新たな惨事を防ぐために早 急に介入することを要請します。私たちは、イラクの国連の代表 と連絡を取って、このメッセージを伝えようとしましたが、ご存 知の通り、国連はバグダッドで一番警備の厳しい、外の社会と遮 断されたグリーン地域にあり、立ち入りは許されませんでした。 私たちは国連にファルージャの状況に目を向けて欲しいと願って います。 ファルージャに住む市民一同、教職員組合etc. 原文にある後書: On behalf of the people of Fallujah and for: Al-Fallujah Shura Council The Bar Association The Teacher Union Council of Tribes Leaders The House of Fatwa and Religious Education ────────────────────────────── 【3-1】バクダッドの医者からのメール http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/irohira-co0011.html http://reishiva.exblog.jp/783256/ ────────────────────────────── #(編註:信頼性を高めるために原文公開が強く望まれる。) 転載 「バグダッドのセントラル子供病院、モハメド医師から、今回の事 件についてもメールをもらったので、取り急ぎ翻訳して送ります。 彼は、今年2月から半年間、名古屋大学病院で研修医として、医療技 術を学び、8月末にイラクに帰国しました。僕も彼の招聘を手伝って います。」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 親愛なる友人へ 現在、かなり多忙なのですが、日本人男性の誘拐・殺害事件の背 景を説明しなければいけないと思っています。 イスラム教の指導者たちの調整が機能していない状態にあり、事 態は最悪です。 その原因は、ほとんどの指導者が刑務所に送られ、残りはイラク 国外に逃げてしまったことです。だから、イラク国内には、アメ リカ軍のための軍隊か、テロリストしかいないんです。私たちの 現状を想像できますか? お金のための軍隊か、米軍をイラクか ら追い出すための軍隊しかいないのです。もうイラクに日本の人 を送らないでください。バグダッドで私たちは、より困難な生活 を送っています。 毎日、バグダッドの市民に対して、3〜4回の爆撃が行われてい ます。昼でも夜でもです。とくに早朝に爆撃されます。アメリカ 軍の戦車が一日に何度もハイウェイを通過し、よく彼らは攻撃さ れます。だから、ハイウェイを使うことができません。ハイウェ イで攻撃に会う可能性がきわめて高いので、緊急事態でない限り、 誰もハイウェイを使いません。また、イラク国軍はアメリカ軍に 指揮され、彼らの命令下で働いています。だから、彼らも攻撃の 対象にされるのです。 不思議に思ったかもしれませんが、先週、Dialaで49人ものイラク 人兵士が殺されたのは、このためです。さらに、イラク国外に逃 げようとした、医者や科学者も殺されています。イラク国内にい るイラク人も殺されるかもしれないという脅威にさらされていま す。とりわけ特別な立場にいる人、例えば政府機関で働いている 人や特定分野で有名な人にとっては、その危険性がより高くなっ ています。 もちろんのこと、外国人が殺される確率は、それよりも高くなっ ています。だから、全ての日本の方に、自重してイラクから離れ ることをお願いしています。そして、日本軍の早期撤退をお願い します。イラクの状況はより悪化していくので、軍人だろうと安 全ではなくなるでしょう。彼らの命も守ってください。 日本とイラクの良好な関係を維持したいので、日本人殺害事件の ことを残念に思っています。イラクの人々を責めないでください。 私たちは、あなた方の親愛なる兄弟でありたいのです。日本人の 中には、私たちイラク人のことを憎む人がいるだろうと思ってい ます。しかし、私たちは何をすればよいのでしょうか? 最後にいっておきたいことは、今まで、イラクにとって、いい兆 しはなにもありませんでした。イラクのリーダー、アラウィが選 挙のことを話している一方で、ファルージャではアメリカからの 大規模攻撃を待ち受けているんです。 じつに皮肉なことではないですか。」 ━ AcNet Letter 204 【4】━━━━━━━━━━ 2004.11.06 ━━━━━━ アレゼール第二回シンポジウム 2004.11.3 「大学が市民社会のチカラとなる」 http://www.h4.dion.ne.jp/%7Esoki/colloques.html 「市民社会に向きあう研究者のネットワーク」(発行人)要旨 ────────────────────────────── #(編註:タイトルはアレゼールから頂いたもので、Academia e-Network Project の趣旨説明。以下は要旨。) 「インターネットによる情報コニュニケーション技術革命を利用す ることにより、大規模な社会危機を予防する機能を日本社会に形 成できないか、という問題を考えたい。 動機は、日本社会には「危機管理」機能がないことへの危機感で ある。ただし、ここでいう「危機」とは、社会の破局を言う。例 えば、戦前のような軍事国家への変貌や、極端な貧富の差による 社会の荒廃、等を念頭におく。 日本社会には、破局につながる微小変化の進行を制御する機構が ない。その原因は、(1)破局に至る変化でも微小であれば日々の生 活には影響を与えないため察知されないこと、(2)それを監視し警 鐘をならす使命をもつ報道機関の大半が情報産業に退化し社会の 木鐸としての機能をほとんど失っていること、(3) 司法の「消極 主義」のために、破局への種々の歯止めが用意されている憲法や 法律が紙屑のようになっていること、そして、(4)個人が組織に隷 属し身近に「迷惑をかけない」ことが日本社会の最高法規のよう になっているために、大半の人の日常生活に影響のない問題への 関心が育たないことなど、にあると考えている。 微小変化の蓄積がある段階を越すと制御できないものとなること があるが、現在は相転移の時期に突入しており、破局に向う流れ が制御できなくなるリスクが急速に増大している。 不幸中の幸いというべきか「インターネット」の普及は、情報流 通とコミュニケーションの手段を全く変えつつあり、グーテンベ ルグ革命がもたらした以上の変化を世界にもたらすことを疑うも のは少ない。このICT革命によって、報道機関を失った半盲状態の 日本社会が、破局に対する「危機管理」機能を獲得する可能性が 生まれたと確信している。 そう考えるわけは、種々の社会的ネットワークに組みこまれてい るわたしたちが自由にできる資源(時間、労力、資金、関心、思 考)は微小であるが、社会的な力を持つまでにそれを結集するこ とがICT 革命によって技術的に可能になったからである。この可 能性を実現し、日常的には察知できないほど微小な変質の進行に 社会全体が鋭敏になり、破局に至る動きを社会が察知できるよう になることが、Project の最終目的である。 このProject は研究者だけの課題ではないことは言うまでもない。 しかし、新しいコンセプトや構造の創出と実験による検証を必要 とする点は、通常の研究と本質的な違いはなく、研究と教育に携 わる者のコミュニティが果す役割が大きい。このような研究は国 策にはならない時代になったので、研究者がとりくむとすれば、 本務外の剰余資源しか利用できない。教育界・学術界に効率化の 圧力が強まる中で剰余資源は減少しつつある。ICT革命により微小 資源を結集する技術は、このフェーズでも不可欠となる。」 ━ AcNet Letter 204 【5】━━━━━━━━━━ 2004.11.06 ━━━━━━ 編集人からの照会:不買運動の研究について ────────────────────────────── アレゼールシンポジウム参加者から教えていただいたことだが、森 永砒素ミルク事件では森永に対する大規模な不買運動が展開され、 大きな影響力を持ったという。また、米国ではナイキやスターバッ クに対する不買運動が成功した(その結果、これらの企業が日本に 進出することになった、という)ことも知った。不買運動をテーマ とした研究についてご存知でしたら編集人までご連絡ください。 (admin@letter.ac-net.org) ────────────────────────────── 【5-1】「ピースチョイスー平和のための選択」サイトより http://www.3chan.net/~peacechoice/ ────────────────────────────── http://www.3chan.net/~peacechoice/boycott.htm ★「ボイコットって何?」 ウェブスターの新コリジート英英辞典の第七版(New Collegiate's Dictionary)によれば、ボイコットは「何らかの関わりを持つこと を団結して拒否すること。通常は、対象への不賛成の表明、あるい は何らかの条件を受け入れさせるために行われる」と定義されてい ます。 簡単にいいかえると、これは市場における民主主義の実践なのです。 なぜなら、消費者たちが、社会や経済を変えるために、自分たちの お金によって投票するのですから。 ボイコットとは、変革のためのひとつの手段です。会社や団体など が、労働者、消費者、マイノリティー、動物、環境などに反する行 動を行ったとき、それを改善の方向に向かわせる、市民および消費 者が持ちうる非暴力かつ力強い意思表示手段なのです。 ★「ボイコットはどこから始まったの?」 「ボイコット」という言葉は、1780年、アイルランドでうまれまし た。その年、イギリス人の領地管理人チャールズ・カニングハム・ ボイコット氏が、飢えに脅かされたアイルランド小作人たちの小作 料の緩和を求める要請を拒否したことによって、「ボイコット」 (小作人らが団結して土地の耕作を一切拒否)されたのです。 それ以来、ボイコットは、国内問題、国際問題を問わず、さまざま な不正や不公正(不当な労働条件、人権侵害、差別、環境破壊、動 物実験・虐待、危険な農薬使用など)に抗議するための手段として 使われています。 社会に大きな変革をもたらしたボイコットの事例としては、インド の独立を導いたマハトマ・ガンジーが、英国製の布地のボイコット を人々に呼びかけて非暴力の独立運動を進めたこと、さらに1950年 代にマーチン・ルーサー・キング牧師が組織し、米国公民権運動の 発端となった米国アラバマ州でのアフリカ系市民によるバス・ボイ コット運動などが上げられます。また、1995年のフランスの核実験 再開に抗議するフランス製品ボイコット運動では、南太平洋、日本、 英国等世界の各地から起こった「フランスのワインは飲まない」の 声がフランス政府を震撼させ、実験中止(予定されていた規模の25 %までの縮小?)に追い込む大きな力となりました。 ★ボイコットの事例 以下のボイコットの勝利は、近年、大きな成果をあげた各国の事例 です。これらの事例からも分かるように、同じボイコットでもその 形態はさまざまで、期間の長いもの(12年間にわたったボイコット の事例もあります)や短期的なもの、一国の国内だけで行われたも のや国際的運動に広まったものなど、ボイコットを行う理由や対象 の数だけ、ボイコットのかたちがあるといえます。 ■呼びかけ人:人種差別とアパルトヘイトに反対する教育者たち、 ボイコット・シェル・キャンペーン、コカコーラ除去キャンペーン ■分野:人権 ■ボイコットの目標:政策 ■達成されたこと:シェル、ケロッグ、コカ・コーラ(他も含む) の人種差別に対する世界規模のボイコット運動は、南アフリカ共和 国からの退去を求める株主決議をもたらした。このことが触媒とな り、1994年のアパルトヘイトの廃止へとつながった。 ■呼びかけ人:熱帯雨林アクションネットワーク ■分野:環境 ■ボイコットの目標:企業の行動内容 ■達成されたこと:RAN(熱帯雨林アクションネットワーク)は、 三菱自動車販売アメリカと三菱電機アメリカに対する9年間に及ん だボイコットを、1998年に、それらの会社が長時間をかけて成 長した木を伐採して作った木材の利用をやめ、2002年までにほ ぼ完全に木材によらずに製造された紙類を用いることを約束したた め、終了した。それらの三菱関連会社は、環境に対して配慮のある 考え方を、各種企画に組み込んでいくことにも同意した。 ■呼びかけ人:自由ミャンマー同盟 ■分野:人権 ■ボイコットの目標:企業の行動内容 ■達成されたこと:ペプシコ、イーストマンコダック、IBM、ディ ズニー、テキサコを含む多数の大企業は、ボイコットの圧力に屈し、 ミャンマーの人権を蹂躙していたことを認め、その国での事業から 撤退した。自由ミャンマー同盟は、ミャンマーとの財政上の関係を 続行させている、BMW、キャタピラー、ハリバートン、三菱、ソ ニーや他の多数の会社に対して、ボイコット運動を続けている。 ────────────────────────────── 【編集後記】 ■朝日新聞の意見広告(10/30): http://www.kyokiren.net/_info/1030asahi.pdf には、教育基本法の前文から以下の個所が掲載されている。 「われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求す る個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しな ければならない。」 「自主報道」的な面が余りなかったことが残念に感じたが、今後の 意見広告に期待したい。本日、日比谷野外大音楽堂で開催される 「教育基本法の改悪をとめよう!11・6全国集会」の盛会を祈る。 ■ブッシュ政権の続投が決り、自衛隊のイラク駐留延長が「政局に なる」可能性が出てきているが、大手マスメディアは政府の要請を 受け政局にはしないよう全力を尽すと予想される。「幸い」、駐留 延長を積極的に主張しているメディアは読売・産経など、限られて いるので、「選挙」による意見表明の代わりに、購読紙を切り替え ることで意思表明をすることが可能である。購読を切り替えた人が、 何新聞を何新聞に切りかえたか、あるいは、新聞購読を止めたか、 を記録できるサイトを用意できれば効果的であろう.新しいタイプ の「不買運動」を実験したい。 ■なぜ、イラク問題ばかりとりあげるのか、といぶかる人も多いで あろうと推測している。昭和初期にも日中戦争は国内では、one of the topics でしかなかったことは想像に難くない。すでに当時と同 じような報道官制がイラク戦争について敷かれている今、過去と同 じ(といっても具体的な展開は細部において大きく異なるはずだが) 経緯を日本がたどる可能性は高まっていると考える方が自然であろ う。同じタイプの間違いを繰りかえすのは「歴史」を使える脳をも らった生物としては情けない。そして、その方面の脳の機能を使う ことを仕事としている大学界が、戦前と全く同じように、知りなが ら傍観することは更に情けない、というように感じるのである。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 編集発行人連絡先: admin@letter.ac-net.org 趣旨:http://ac-net.org/letter/ ログ:http://ac-net.org/letter/log.php #( )内は編集人コメント、「・・・・・」は編集時省略部分 登録:http://letter.ac-net.org/s.php 転送歓迎(転送時に:http://ac-net.org/letter 併記希望) |