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『朝日新聞』福岡・北九州版 2004年10月25日付 外来棟着工できず 九大病院 国予算見送り 九州大学病院(福岡市東区)の建て替え計画で、新外来棟建設に必要な国の 予算がつかず、予定の05年度中に着工できないことが分かった。病院側は 「次の06年度に国の予算がつく保証はなく、現状では建設のめどが立たない」 としており、外来患者の利便性に影響が出そうだ。 九大は95年に現在地での九大病院の全面建て替えを決定した。97年策定 の計画では、新外来棟(地上4階、地下1階建て)は診察室や薬局、事務室が 入り、05年度に着工し、07年度完成の予定だった。だが、国の財政難から 05年度予算の概算要求で新外来棟の予算を見送ることが決まった。 外来患者は03年度、延べ約54万人。待ち時間の短縮化のため、診療記録 をコンピューターで管理する「電子カルテシステム」の導入が検討されている が、先延ばしとなる。 病院全体の建て替え計画では、総床面積が従来(外来棟1棟、病棟4棟)の 約1・7倍の約12万平方メートルになる。98年に始まり、南側病棟(地上 11階、地下1階建て)は02年春に完成。建設中の北側病棟(同)も06年 春に完成する。新外来棟を含めた計3棟を行き来できるよう、4階までのフロ アが各階でつながり、施設内の移動距離を縮める予定だった。 着工の遅れで、当面は現在の外来棟を使うことになるが、検査部門は新病棟 に移る。そのため、検査が必要な外来患者の負担も重くなる。 水田祥代病院長は「外来患者は診察室から検査部門のエックス線撮影に回る 距離が多少長くなるが、できる限り不便をかけないよう対応したい」と話して いる。 |