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『朝日新聞』北海道版 2004年10月23日付 北大農学部 「住宅ローン」で本館改修 民間から低利融資 国が15年かけ返済 昭和初期に建築された北海道大学を代表する歴史的建造物「農学部本館」 (札幌市北区)が全面改修されることになった。「PFI」と呼ばれる民間資 金活用法を初めて採り入れ、資金を低利で借り、45億円と見積もられる総工 費の削減を目指す。返済は、住宅ローンと同じ長期返済方式になる。 農学部本館は1935(昭和10)年に完成した。中央に大時計がある塔が あり、外壁は特殊なタイル張りだ。ほぼ70年経過し、老朽化が著しく全面改 修が決まった。 05年秋に着工し、3年で終える予定だ。れんが造りを思わせる外壁をそっ くり張り替え建築当初の面影を再現。一方、耐震補強し、バイオなど最先端の 研究ができるよう改修する。 国立大学は今春の法人化で、運営に民間企業の経営手法を使う機運が高まっ ている。PFIは、民間の資金やノウハウを活用し、企画から資金調達、建設 まで民間事業者が手がける。市場原理が生かされ、建設費の削減につながる利 点がある。 今回は、PFIに詳しく、北大と包括連携協定を結んだ日本政策投資銀行が ノウハウを提供。改修資金の低利融資も可能になるという。 学内には、政策投資銀を交えた審査委員会がつくられた。民間事業者を募り、 計画を競わせたうえで、改修を担当する「特別目的会社(SPC)」の母体と なる事業者を選ぶ。 PFIによる公共施設建設では、SPCが事業資金を調達し、返済には施設 の利用料収入を充てるのが一般的だ。だが、農学部本館は研究施設で利用料が 見込めないため、国が15年近くかけ分割返済する。 |