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新首都圏ネットワーク

朝日新聞 10月23日夕刊記事より

高校に教員養成コース新設 奈良県教委、06年度から

 奈良県教委は、06年度から、県立高校2校に「教員養成コース」を新設する方針を決めた。「団塊の世代」の退職に伴って教員が大幅に不足し、自治体間の人材獲得合戦が激しくなるのを見越し、「質の高い先生を自分たちで育てよう」との狙いだ。県教委や文部科学省によると、公私立とも高校でのこうした取り組みは初めてという。
 構想では、県北部と中部の2校の普通科に養成コースを設け、定員はそれぞれ40人程度にする。小・中・高・養護学校の教員を目指す生徒が対象で、入試では面接や作文を重視し、意欲や適性をみる。
 授業では、小学校での子どもたちとの触れ合いや職場見学など体験学習の機会を増やし、「世間知らず」と言われない先生の育成を目指す。生徒が適性に不安を感じた場合は一般の普通科に移れる制度も検討。大学との連携についても詰めている。
 背景には、教員採用試験が「広き門」になったことがある。70年代の大量採用者が定年期を迎え、奈良県の定年退職者は04年度の95人から14年度には約550人に膨れ上がる。すでに新規採用者を増やしつつあり、99年度の36人から05年度は128人になった。一方で、この間の採用試験の競争率は25.3倍から6.5倍になり、県教委は「採用者の質の低下を防ぐのが課題」とみている。