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『毎日新聞』愛知版 2004年10月23日付

独自化、効率化で議論−−県立3大学あり方検討会 /愛知


 愛知県立大と県立芸術大(いずれも長久手町)、県立看護大(名古屋市守山
区)の県立3大学の将来像を検討する「県立の大学あり方検討会議」(座長、
奥野信宏・元名古屋大副学長)の第6回会合が22日開かれた。県財政が厳し
いため、県立大を独立法人化させ、独自性の確立や効率化などにより生き残り
を図るべきだとの意見が大勢を占めた。最終報告書は来月中にまとまる予定。

 中京大大学院教授の水谷研治委員は「県立の大学の存在意義を県民に説明す
るのは極めて困難。今後県の財政はさらに悪化し、大学運営は不可能になる」
としたうえで、3大学を廃止するか完全独立採算にするよう提案した。愛知大
学長の武田信照委員は「芸術大や看護大の存在意義は説明できるが、愛知県立
大は一般大学と変わらず、なおも県費を投じて維持しなければならない説明が
難しい」と指摘。ブラザー工業会長の安井義博委員も「特徴のないものは捨て
る決断を」と述べた。

 ほかにも、3大学統合や学部再編により費用対効果を高めたり、地域貢献色
を前面に出して存在意義を確立する必要性を説く意見が相次いだ。

 県は3大学の運営費や教育、研究費として年間計60億円以上を支出してい
る。しかし高い入試倍率が示すように3大学を志望する受験生は多く、学費が
高い私立大や下宿が必要な他地域の大学への進学が困難な学生にとって、重要
な地位を占めている。【荒川基従】