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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Academia e-Network Letter No 195 (2004.10.16 Sat) http://letter.ac-net.org/04/10/16-195.php ━┫AcNet Letter 195 目次┣━━━━━━━━━ 2004.10.16 ━━━━ 【1】 家永三郎氏(1913-2002)の「告白」ーー『戦争責任』はしがきより http://ac-net.org/item/60 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4006030509/ 【2】「教育基本法改悪反対」10月下旬意見広告の緊急要請 http://www.kyokiren.net/_info/iken_koukoku 【3】アレゼール日本第2回シンポジウム 2004.11.3 於 早稲田大学 「大学が市民社会のチカラになる」 http://www1.jca.apc.org/aml/200410/41394.html http://university.main.jp/blog/archives/002056.html 【4】意見広告の会ニュース No 200,201,202 目次 配布申込、投稿先: qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp 200: http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000629.html 201: http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000630.html 202: http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000631.html 【5】ブログ「むなぐるま」2004.10.12 シンクレアの例の件 http://munaguruma.blogs.com/jp/2004/10/post_5.html #(メディアの情報操作に、広告主への不買運動で対抗する事例紹介) ━ AcNet Letter 195 【1】━━━━━━━━━━ 2004.10.16 ━━━━━━ 家永三郎氏(1913-2002)の告白ーー「戦争責任」はしがきより http://ac-net.org/item/60 ────────────────────────────── 家永三郎「戦争責任」岩波書店 1985、ISBN 400001167-7 http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/7/0011670.html 岩波現代文庫 2002 ISBN4-00-603050-9 C0121 http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/60/9/6030500.html http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4006030509/ ────────────────────────────── 「・・・戦争中の私は、生きた現実の社会に背を向けて、ひたすら 地上の相対世界を超えた絶対の世界に目を向けることによって、 時流に便乗・迎合することを免れたが、それは私が戦争の本質を 正しく洞察していたからではなく、藤原定家が「紅旗征戎吾が事 に非ず」という心境を持し世上の争乱を傍観して作歌に専念して いたのと同じような傍観者にとどまっていたための偶然の結果に すぎない。その傍観者的な惰性は、戦争の終ったあともしばらく 続き、戦争に対する総括も、戦後の新しい情勢への正面からの取 り組みも、私の課題となることなしに数年が徒過してしまった。 それほどに鈍感な私に、姿勢を立て直す必要を教えてくれたのは、 1950年代に入ってから始まった「逆コース」の動きであった。今 日の言葉でいう「ノンポリ」として戦時下をすごした私も、「侵 略戦争」を認識する能力は欠けていたものの、思想・言論・学問 の自由をふみにじる権力の狂暴性と、これに追随した、否、権力 よりも先走った狂信的日本主義の横行とには、学生時代から憤り の念をいだき続けていたので、反面教師としての「逆コース」に 触発されて姿勢を正さねばらなぬと悟ったときにも、まずいちば ん先に感じとったのは、せっかく戦後に獲得された精神的自由が ふたたび失なわれるのではないかという危惧であった。そして、 それがアメリカの占領政策転換により進行しはじめた再軍備政策 と重なり合うことによって、次第に深い危機感を私にいだかせ、 この危機を克服するために自分のできることをしなければならな いとの決意を起させるとともに、改めて戦時下の自分が傍観して 過してきたことへの自責の念を喚起しないではいられなくなった のである。 今、過去の自分の書いた文章を遡って読み返えしてみると、1953 年7月発行の歌誌『形成』に寄せた「学問をする者のよろこびと苦 しみ」と題する一文中の、 ある、偉い学者が、学問をする者は腐儒になる位の心がけで なければならぬ、と云われたそうである。あまりに佞儒(ね いじゅ)のみ多い日本では、腐儒になることさえが一つのレ ジスタンスでもあろう。しかし社会が不幸なる方向に向って ころげ落ちようとするのを外(よそ)にみて、自分の専門の しごとがあるとすましているのが、果して学問をする者のと るべき態度であろうか。太平洋戦争の間、私は腐儒となるこ とによって佞儒となることを免れた。私は、今になって自分 が消極的な意味での戦争犯罪人ーー戦争を防止するための義 務を怠った不作為の犯罪人であったとの自責の念に堪えない。 私は今度こそはその後悔を二度としたくはないと思う。同胞 を破滅への道に駆りたてる力に向って、私たちは敢然と立ち 向わなければならぬ、と思う。 『毎日新聞』1953年8月14日に寄せた「わが著述と思索を語る」の 中の、 戦争中ファッシズムに正面から抵抗する勇気をもたなかった 私は、戦後祖国の破滅を傍観したことに対する自責の念を禁 ずることができなかった。戦争直後のてのひらをかえしたよ うな「民主主義」の流行には、何か信用できないような気が して、進んで「反動」の烙印を甘受した私であったが、逆コー スの動きが露骨になってきたときには、同じ後悔を二度と繰 りかえさないために、全力をあげて反動的勢力と戦うことを 決心した。 固く辞退したにもかかわらず、日本学術会議会員選挙に立候補す るのやむなきにいたった1953年11月発送の挨拶状中の、 私は、過去の暗黒の時代に、学問の正道が狂信者の手で歪め られ虐げられるのを痛感しながらも、これと正面から争う勇 気を欠き、ただ自分一個の良心をつなぎとめることにのみ心 をくだいて来た。今にして、私は、真理を防衛する義務を怠っ た不作為の罪に対する自責の念に堪え得ない。今、忌わしい 過去の悪夢のふたたび蘇ろうとする情勢をみて、こんどこそ 学問を守るために、身命をささげて、過去の罪責を贖わなけ ればならぬ。 などのそれぞれの一節が、私の戦争責任の自己批判として公表さ れた、もっとも早い時期のものであって、私は、この前後の時期 にようやく自己の戦争責任を自覚し、その責任を償うために悲劇 の再来阻止の行動を実践する責務を感ずる心境に到達したのであ ることを、今、改めて告白しておこう。・・・」(1985.3) ━ AcNet Letter 195 【2】━━━━━━━━━━ 2004.10.16 ━━━━━━ 「教育基本法改悪反対」10月下旬意見広告の緊急要請 http://www.kyokiren.net/_info/iken_koukoku ────────────────────────────── 教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会 http://www.kyokiren.net/ 教育基本法改悪反対・『多彩な意見広告』の会 http://www.tasai.net/ 連絡先: TEL 090-3914-7114(意見広告専用) TEL/FAX 03-3812-5510 info@kyokiren.net ────────────────────────────── #(編註:抜粋) <掲載時期> 2004年10月下旬 <掲載紙> 朝日新聞 3分の1ページを予定しています <目標金額> 1000万円 <振込先> 三井住友銀行 高幡不動支店 普通 1477174 郵便振替 00190−5−389679 加入者名 全国連絡会意見広告 <賛同金> 1口1,000円 できるだけ3口以上 (もちろんそれ以下でも、いくらでも歓迎です) ※ 今回の意見広告には、紙面の都合上賛同していただいた皆さ んお名前を載せることができません。お礼状もその後の連絡も細 やかにはできませんが、掲載のあかつきには、掲載紙、掲載日、 掲載広告など、全国連絡会のホームーページでご覧になっていた だけるようにする予定です。ご了承ください。 #(詳細:http://www.kyokiren.net/_info/iken_koukoku 来週中にウェブ公表予定とされている広告文案を AcNet Letter に転載予定) ━ AcNet Letter 195 【3】━━━━━━━━━━ 2004.10.16 ━━━━━━ アレゼール日本第2回シンポジウム 2004.11.3 於 早稲田大学 「大学が市民社会のチカラになる」 http://www1.jca.apc.org/aml/200410/41394.html http://university.main.jp/blog/archives/002056.html ────────────────────────────── 日時:2004年11月3日(祝)13:30〜17:30 会場:早稲田大学(本部キャンパス)1号館301教室(正門すぐ右手) (東西線早稲田駅より徒歩5分、山手線高田馬場駅より早大正門行き バス終点より徒歩0分) *参加費、事前のお申し込みは不要です。 講演タイトル 「現場主義の学問と大学の可能性:自主講座運動の経験から」 宇井純(沖縄大学名誉教授、公害論) 「バリアフリーな市民社会を作る:障害学という実践」 長瀬修(東京大学先端科学技術研究センター、障害学) 「市民社会と向き合う研究者のネットワーク」 辻下徹(立命館大学理工学部、 Acedemia e-Network Project呼びかけ人) 近年の大学界を覆う改革の嵐のなかで、これまで「象牙の塔」 だった大学を社会に開き、多様な人々の期待に応えていくことが 強く要請されています。そのもとで、各大学では「社会貢献」へ むけた取り組みへと少なからぬ努力が注がれていますが、その多 くは「社会」を産業界と理解し、産学連携を進めことが唯一の解 決策であるかのような傾向さえ見受けられます。しかし、大学が その知を開くべき社会とは産業界に限られるものではありません。 むしろ、ときに産業界と利益が衝突することもある地域住民、一 般の市民へと目を向けるべきであり、多様な市民の生活の向上に 結びつく必要があると、私たちは考えています。そのような取り 組みのなかでこそ、大学ははじめて、すべての人々にとって本当 の意味で「開かれた」存在として生まれ変わることができるので はないでしょうか。今回のシンポジウムでは、大学が市民社会の チカラになるための条件とその可能性を探りたいと思います。 当日は、1970年代より自主講座運動というかたちで、市民 社会と切り結んだ現場主義の学問の道を模索され実践されてきた 宇井純氏から、自主講座運動の経験を踏まえた問題提起を行って いただきます。続いて、日本での「障害学」の立ち上げに尽力さ れてきた長瀬修氏から、多様な成員から構成される市民社会と大 学との関わりにおいて新たな道を切り拓きつつある「障害学」と いう学問的実践のありかたをめぐって、話題提供していただきま す。また、Academia e-Network Projectを立ち上げ、全国の研究 者の間の新しいネットワークのあり方を模索されている辻下徹氏 からは、多様なかたちで市民社会と向き合おうとする研究者たち のあいだで、どのようなかたちの連携が可能なのかをめぐって、 議論していただく予定です。 市民社会に開かれた大学のあり方を議論し、新しい大学のあり 方を模索する場としたいと思います。本シンポジウムへのみなさ まのご参加をお待ちしております。 本シンポジウムについてのお問い合わせ先 アレゼール日本(高等教育と研究の現在を考える会)事務局 E-mail office@areserjp.org Web Site http://areserjp.org 〒169-8050 東京都新宿区西早稲田1-6-1 早稲田大学政治経済学部岡山茂研究室気付 fax 03-3203-9816 / tel 03-5286-9723 ━ AcNet Letter 195 【4】━━━━━━━━━━ 2004.10.16 ━━━━━━ 意見広告の会ニュース No 200,201,202 目次 配布申込、投稿先: qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp ────────────────────────────── 意見広告の会ニュース No 202 (2004.10.14) http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000631.html ────────────────────────────── 1 真に、かつ、種々の意味で危機を迎える都立大 1−1 都立大COEを断念 1−2 同 時事通信速報 1−3 「首大」教員の公募 やさしいFAQ 1−4 同 管理本部発表詳細 2 東京都教育委員会のあらたな「日の丸・君が代」強制への反対 を呼びかけるアピールへの賛同の呼びかけ 子どもと教科書全国ネット21 ────────────────────────────── 「意見広告の会」ニュース No 201 (2004.10.12) http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000630.html ────────────────────────────── 1 授業料の値上げ始まる。 国立大授業料自由化で値上げ NHKニュース 10/11 12:28 2 大学財政危機打開をめざす国会内ポスターセッション 首都圏ネット 5th Circular http://www.shutoken-net.jp/041012_2jimukyoku.html 3 特殊法人を上回る「蜜の味」 独立行政法人 北沢栄の「さらばニッポン官僚社会」より 4 真に、かつ、種々の意味で危機を迎える都立大 4−1 都立大総長声明の意味 やさしいFAQより 4−2 首都大学「遅滞生じ危機的状況」 都立大学長が異例の声明 各分野の課題列挙 「東京新聞」記事 ─────────────────────────────── 意見広告の会」ニュース200 2004.10.08 http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000629.html ─────────────────────────────── 1 国会内ポスターセッション 4th Circular 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局 2 真に、かつ、種々の意味で危機を迎える都立大 2−1 新大学設置認可答申を受けて ── 現状評価と課題 ── 東京都立大学総長 茂木俊彦 2−2 都立4大学を統合する法人の設立,新大学・大学院の設置に 関する陳情 開かれた大学改革を求める会 ━ AcNet Letter 195 【5】━━━━━━━━━━ 2004.10.16 ━━━━━━ ブログ「むなぐるま」2004.10.12 シンクレアの例の件 #(メディアによる情報操作に対し不買運動で対抗する例) http://munaguruma.blogs.com/jp/2004/10/post_5.html #( http://munaguruma.blogs.com/jp/ 「アメリカ在住の人文系研究者による日常観察・オピニオン系blog」) ────────────────────────────── #(編註:「シンクレア放送ネットワークという会社が、所有の6 2局の地上波テレビ局で、選挙日直前に通常の番組を中断してケリー 氏のベトナム戦歴にかかわる疑惑に関する「ドキュメンタリー」を 流す決定をした」ことに関連する記事だが、以下の一節が注目に値 する: 「ブログの世界でも議論沸騰している。リベラル系の TPM(http://www.talkingpointsmemo.com/)では、シンクレア系の TV局のボイコットを画策している。TV局に直接電話で抗議す るのではなく、ローカルニュースで広告を流している地方企業の 名前をリストアップし、TV局の営業部に電話し、企業名のリス トを読み上げて「例の番組を引き揚げなければこれらの企業に電 話して、製品のボイコット運動をする旨を伝えますよ」と言うと いう作戦らしい。もしボイコット運動が起こるようだったら企業 は広告を引き揚げるし、そうなったらTV局は大打撃というわけ。 (ちなみに、日本でもこれをやったら効果的かもしれないな。) TPMでは他のウェブサイトと連携して、シンクレア傘下の局に広告 を出している企業リストをつくり、電話抗議を組織している。こ の辺りの動き、アメリカのブログの組織力を見る思いがして、す ごい。」 国家主義推進には国家より個人を尊重することを基盤とする法体 系は邪魔であると考え、教育基本法「改正」や憲法「改正」に賛 同し、また石油確保にはイラク派兵は不可欠であり自衛隊員が犠 牲になっても仕方がない、という考えを示す経営者の企業の製品 に対する不買運動を起すことは可能ではなかろうか。デモや署名 や意見広告と違い、現実的ダメージを与えるだけに、成功の可能 性が少しでも出てくるだけで経営者としては無視できなくなるの で効果は大きいはず。また、デモや集会や署名は面倒くさいから 厭だが、こういうことなら協力してみたい、新しい効果もありそ うで面白そうだから、と感じる人は予想外に多いのではなかろう か。買物の際にちょっと注意して選ぶだけの「行動」だから、経 費もかからず、匿名で日常的に片手間で実践できる万人向けの省 資源型・省エネ型の静かな人権運動・平和運動・反戦運動と言え るであろう。) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 編集発行人連絡先: admin@letter.ac-net.org 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