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新首都圏ネットワーク


『毎日新聞』2004年10月16日付

都立大教授らのCOE返上、石原知事「痛くもかゆくもない」 /東京


 都立大の近代経済学の教授らが、来春開学する首都大学東京への就任を拒み、
世界水準の研究を目指すとして文部科学省から指定されていた「21世紀CO
Eプログラム」を返上したことについて、石原慎太郎知事は15日の定例記者
会見で「一番頑固な保守的な反対派が、腹いせにああいうことをやったんだろ
う」と述べた。

 都立大経済学部の渡部敏明教授ら16人は昨年度、金融市場に関する研究で、
「卓越した研究拠点づくり」のために国の予算を重点配分する同プログラムに
採用された。しかし、同グループは都の新大学構想について、改革手法や「研
究軽視」ぶりを批判。メンバーの大半が就任を承諾せず、新大学に残るのは3
人だけとなった。渡部教授らは13日、文科省で会見し「首都大の新大学院に
は経済学コースがなく、継続的な活動が期待できない」として、来年度以降の
COE研究継続断念を表明していた。

 石原知事は会見で、COE返上の影響について「痛くもかゆくもない。今の
ままで(首都大は)研究を進められるし、また申請し直して、違う方法で国の
援助を仰ぐこともできる」と話した。都立大の研究グループに対しては、「あ
あいう姑息(こそく)なことをやらないほうがいいよ。あれが学者かと思うく
らい浅はかだ」と批判した。【奥村隆】