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新首都圏ネットワーク


『毎日新聞』東京版 2004年10月14日付

首都大学東京、設置認可で都立大総長が見解−−「遅滞改善に努力を」


 「首都大学東京」の設置認可を受け、都立大の茂木俊彦総長が学内に見解を
掲示した。「新大学の開学準備は著しい遅滞が生じており、危機的状況に至っ
ている」との認識を示し、「状況打開のために都が設置審の付した留意事項と
大学の意見を真摯(しんし)に受け止め、可能な限り改善の努力を行うべきだ」
と指摘している。

 見解では、2010年度まで存続する現大学について、「転出する教員が続
出しているにもかかわらず、後任の採用はおろか非常勤対応さえ不十分にしか
行われない」と指摘し、「教員スタッフの著しい貧困化は、残った教員による
埋め合わせが可能な範囲を超えている」と訴えた。

 また、都立大教員らでつくる「開かれた大学改革を求める会」(西川直子代
表)は新大学の定款や学則の作成に当たって、「大学人が安定した教育研究を
継続すること」の保障を求める陳情書を都議会に提出した。「いたずらに新奇
さや見かけの効率を求めるのではなく、学生・大学院生・教員に不安を与えな
い制度が保障されなければならない」と述べている。【奥村隆】