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『東京新聞』2004年10月14日付 都立大『21世紀COE』返上 新大学、研究メンバーが反発 東京都立大(茂木俊彦学長)は十三日、先駆的な大学研究に予算を重点配分 する国の「21世紀COEプログラム」に採択された事業について、来年度以 降の継続を断念することを文部科学省に伝えた。 同大は来春、統廃合されて首都大学東京に移行するが、新大学のあり方をめ ぐり、研究の中心メンバーが現在も新大学の教員に就任する意思を示していな いためだ。 継続を断念したのは〇三年度に採択された「金融市場のミクロ構造と制度設 計」。 五年間の継続事業で、昨年度は補助金約七千七百万円が交付され、本年度の 交付予定額は約七千百八十万円。 同大によると、経済学部のCOE推進担当者十四人のうち十一人が現在も就 任意思を示しておらず、継続は不可能と判断したという。 一方、研究リーダーの渡部敏明教授(金融論)は同日、会見し、「首都大学 はCOE担当者の削減を打ち出すなど、最先端の研究に対する理念がない」と、 就任を留保している理由を説明した。 COE事業は本年度は三百二十件の申請があり、二十八件が採択されるとい う狭き門で、大学が採択された事業を返上するのは今回が初めて。 同省は「非常に残念だが、大学の意向も尊重せざるを得ない」として、今後 は補助金の使用状況を確認した上で未使用分の返還を求める方針。 |