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新首都圏ネットワーク


『科学新聞』2004年10月8日付

科学技術政策担当大臣 棚橋泰文氏に聞く(抜粋)


 ――競争的研究費。予算の付け替えではないのか

 棚橋 科学技術に対する予算は税金であり、費用対効果を含めて効果のある
ものに集中していくべき。これは誰も異論はないと思う。その観点から競争的
な研究資金のあり方を提言して倍増を目指すと閣議決定した。期限が迫ってき
ている。まず競争的資金にシフトしていくことを行政の立場で積極的に進めて
いく。ただ、もしそれが従来型の施策と全く変わらないにもかかわらず、形だ
けのいわゆる付け替えであるなら全く意味がない。むしろ厳しく精査して、化
粧直しだけでごまかすようなことはさせない。断固として排除する。本当の意
味での競争的資金に集中して、なおかつ、出来る限り増やす。

 ――概算要求の評価。SABCについて

 棚橋 一言で評価というと難しいものがある。なぜ導入したかというと、財
政が厳しい中、税金である限られた予算を出来るだけ効果的に使うべきではな
いかというごく当たり前の原点に返った発想だ。非常に正しいと思う。特に科
技関係予算は重複がなかったわけではない。重複を排除して、メリハリをつけ
る。この観点からキチンと進めている。問題は、誰がどのように評価するか。
異論があるのは承知している。長期的で比較的実現性が薄いものが大化けする
可能性も含めた評価の難しさに対しての指摘だと思う。もっともなことで、こ
の指摘を入れた上で、評価の精度を上げていく。とくに今年は国立大学法人、
独立行政法人などの予算も含めてすべての科学技術関係予算を聖域なくチェッ
クする。また各府省で事前と中間の評価を徹底していただき、その結果を活用
する。さらに施策の連携を強化する。評価について難しいのは多様な意見があ
ること。重点分野中心に、より多様な分野の外部専門家の意見を集約して、で
きるだけ納得できるもの、客観的なものに近づけていきたい。