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新首都圏ネットワーク


『東京新聞』2004年10月8日付

準備遅れなど課題列挙
都立大学長 首都大で異例の声明


 都立四大学を統合して来春開学する首都大学東京について、都立大学の茂木
俊彦学長は七日、開学準備や新学部の内容など幅広い分野の課題を列挙する声
明を学内で公表した。首都大は先月末に文部科学相から設置認可を受けたばか
り。統合対象大学のトップによるこの時期の声明は異例ともいえ、都立大教員
らの反発の根深さが浮き彫りになった格好だ。

 声明は、首都大について「解決を急ぐべき多くの課題がある」と指摘し、
「さまざまな面で著しい遅滞が生じており、危機的状況と言っても過言ではな
い」と準備の遅れを懸念している。

 また、首都大が新たに設置する「都市教養学部」について、「理念が不明確
で組織構成に無理がある」と批判。他大学での受講を単位に認める「単位バン
クシステム」についても「大学間で教育資源が開放される兆候がない現状では、
現行制度の拡充から始めることが現実的」としている。

 茂木学長は、首都大の授業や研究の体制などを検討する教学準備会議のメン
バー。都大学管理本部は「指摘内容はいずれも現在検討中のものばかり。開学
準備が遅れていることはない」と反論している。