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『東奥日報』2004年10月8日付 ノーベル賞小柴教授が講演/弘前 二〇〇二年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊東京大学名誉教授が八日、 弘前市の弘前大学教育学部付属小学校で講演した。弘前大学教育学部の学生や 大学院生、全国の教職員など、合わせて約七百五十人が、「やればできる」と 体当たりで挑戦することの大切さを説く小柴教授に聞き入った。 講演で小柴さんは中学入学後にポリオ(小児まひ)にかかり、中学を卒業す るために努力したと語った。高校時代には、物理の先生に「小柴は物理学科を 通るわけがない」と言われた悔しさから猛勉強した経緯を紹介。「東大理学部 物理学科に入ることができたが、物理を学ぶつもりがなかったから困った」と 会場を笑わせた。 大学で先輩に誘われ、始めた素粒子研究で、初めて結果が目に見えたという 小柴さんは「何事も自分でやってみないと分からない。自分に合っているかど うか、体当たりでやってごらん」と述べた。 小柴さんは「大学が独立法人化で商社のようになるのは情けない。もうけを 度外視して知識を追い求める財団を作ろうと思った」と、平成基礎科学財団設 立の動機についても語った。 |