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新首都圏ネットワーク


#([he-forum] からの転載は略)
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Academia e-Network Letter No 187 (2004.09.29 Wed)
http://letter.ac-net.org/04/09/29-187.php

━┫AcNet Letter 187 目次┣━━━━━━━━━ 2004.09.29 ━━━━

【1】新文部科学大臣に中山成彬氏
ホームページ http://www.nakayamanariaki.com/

【2】豊島耕一氏「26日の教育基本法改正世論調査について」
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/UniversityIssues/opinonpoll.html

【3】横浜市立大学教員組合、教員組合週報(PDF版)2004.09.27
「現学生への教育保障を当局は具体的に示せるか?」
http://homepage3.nifty.com/ycukumiai/kumiai-news/weekly040927.pdf

 【3-1】永岑三千輝氏:大学改革日誌−最新日誌2004年9月21日(2)より
#(新横浜市大の部局長等が上意下達的に決められたことに関する考察)
http://eba-www.yokohama-cu.ac.jp/~kogiseminagamine/SaishinNisshi.htm

【4】『京都新聞』2004年9月28日付
寄付金の見直し要望 滋賀大附属校園各PTA会長

【5】blog ガ島通信 「ブログ新聞の意義」2004年09月28日
http://blog.livedoor.jp/zentoku2246/archives/7329277.html

━ AcNet Letter 187 【1】━━━━━━━━━━ 2004.09.29 ━━━━━━

新文部科学大臣に中山成彬 氏
ホームページ http://www.nakayamanariaki.com/

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#(1966年大蔵省入省、1982年退官。1986年衆議院議員当選。上の
ホームページには、衆議院本会議(2004年8月2日)の与党代表とし
ての質問全文http://www.nakayamanariaki.com/think/index.html
が掲載されている。また、掲載されている最近の「あいさつ」
(http://www.nakayamanariaki.com/month/index.html) の一節より:

「長い間低迷を続けた日本経済ですが、全体としては、ようや
く景気が良くなりつつあります。しかし、企業規模や地域に
よってバラツキがあり、特に地方の不振が目立ち、いろいろ
弊害も出てきています。そこで、自民党の四経済部会(総合経
済調査会、金融問題調査会、地域再生調査会、国土開発調査
会)の幹部が集まって精力的に論議を重ねています。次頁の
「日本型経済社会システムの構築について」は、私が議論の
タタキ台としてまとめたものです。今後の経済政策や来年度
の予算編成に生かしていきたいと考えています。」

言及されている「次頁」は上のサイトには見付からなかった。

文教関係では1990年に文部政務次官を歴任。国会では、商工委員会、
経産委員会、厚生労働委員会等での発言が多いようであるが、文教
関係では、1998 年5月15日の衆議院文教委員会における、中高一貫
校についての質疑が、議事録 http://kokkai.ndl.go.jp/ に記載さ
れている。以下はその中の一部:

「○中山(成)委員 ・・・

私は、この五ケ瀬中・高等学校設立の構想が持ち上がりましたと
き、たまたま文部政務次官を拝命しておりました。当時の県の教
育長から、魚とりの名人の秀才を育てるのだという話を聞きまし
て、秀才ではありませんでしたけれども、魚とりが大好きだった
小さいころを思い出しました。

また、私、実は私立の高校へ行ったのですが、その高校は中高一
貫の全寮制の高校でございました。私は、高校から入りまして三
年間寮生活を送った者として、すばらしい構想だなということで、
もろ手を挙げて賛成したわけであります。

しかし、既に昭和四十六年の中教審あるいは昭和六十年の臨教審
の答申に中高一貫教育が提唱されておりましたにもかかわらず、
先進性といいますか、余りにも早過ぎたのか、あるいはまた、義
務教育費国庫負担法等の壁もありまして、文部省の姿勢は必ずし
もあの当時前向きではございませんでした。いろいろとお願い等
もいたしまして、当時、文部省としてもできる限りの支援をして
くれたということにつきましては感謝しているところでございま
す。

そしてまた、ただいまは文部大臣に御答弁をいただきましたけれ
ども、積極的な評価をいただいておりまして、大変うれしく思っ
た次第でございます。

私は、文部省が、そういう制約があったにもかかわらず、これま
で五ケ瀬中・高等学校の設立、運営につきまして、いろいろと財
政的な支援を行ってきていただいたところにつきまして御説明を
お願いしたいと思います。・・・」



━ AcNet Letter 187 【3】━━━━━━━━━━ 2004.09.29 ━━━━━━

横浜市立大学教員組合、教員組合週報(PDF版)2004.09.27
「現学生への教育保障を当局は具体的に示せるか?」
http://homepage3.nifty.com/ycukumiai/kumiai-news/weekly040927.pdf

全国国公私立大学の事件情報ブログ 2004年09月28日 経由
http://university.main.jp/blog/archives/001930.html
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現学生への教育保障を当局は具体的に示せるか?

文部科学省の認可を受けた来年度からの教員向けカリキュラム及
び入試説明会の開催が、現学長、学長予定者、副理事長予定者、
改革推進本部主催として10月1日に予定されています。「新学部、
研究科の教育内容とカリキュラムおよび入試体制全般に関する説
明」を行うとしているこの説明会の形式が異様なものであること
は言うまでもありません。またすでに副学長、国際総合科学部長、
国際総合科学研究科長のそれぞれについても予定者が発表されて
いますが、法人移行と学部改組にともなう新たな人事が、それぞ
れの役職にかんする何の規程もないままに文字通り適当に決めら
れたことも、「そんないい加減な」と呆れられて当然のやり方で
す。この調子で「適当に」運営される大学の行く末に危惧を抱か
ざるをえません。

法人移行と学部改組のプロセスにかんする適正で合意された手続
きの欠如、無視がこうした異様な事態を生んでおり、繰り返し指
摘してきたように、「ともかく発足させればいい」という強引な
手法は大学の将来に禍根を残し、今後も数多くの混乱をもたらす
にちがいありません。なかでももうすでに現在、焦眉の問題となっ
ているのは、現行学部から新学部への移行期間に現学生にたいす
る教育保障がないがしろにされる恐れのあることです。現学長は
現学生にたいする教育保障は行うと公約していますが、その公約
を履行するためには、移行期に必要な措置を財政的保障もふくめ
確実にとらなければならないはずです。カリキュラムの読み替え
問題もふくめ、移行期間に必要な手当てを行うことは、当然なが
ら大学の義務です。それすらもできないのであれば、結局は、改
革と称する大学のリストラが改革推進本部の目的だとみなされて
仕方ありません。

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【3-1】永岑三千輝氏:大学改革日誌−最新日誌2004年9月21日(2)より
http://eba-www.yokohama-cu.ac.jp/~kogiseminagamine/SaishinNisshi.htm
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「ちょうど1週間、日本を不在にしているだけでいろいろのことが
ある。プロ野球選手会スト突入を知ったのは、フランクフルト
から成田への飛行機のなかであった。

この間、「首都大学東京」に関しては、設置審に対してきちん
と審査し、見識を示すことを求めるため、インターネットによ
る緊急署名が行われたようである。

本学でも、副学長予定者、国際総合科学部の学部長予定者、国
際総合科学研究科の研究科長が「指名」されたようである。今
朝、「全国国公私立大学の事件情報」を訪問して知り、その後、
文書ボックスの郵便物等を受取ってみたら、「横浜市政記者、
横浜ラジオ・テレビ記者 各位」という対外発表用のA4で1枚の
「記者発表資料」(9月15日・市立大学事務局・大学改革推進担
当課長名)が入っていることを発見した。不在中の9月15日ない
し16日に入れられたものであろう。

このことは何を意味するか? 

つまり、理事長、学長を市長が任命し、そのもとで新公立大学
法人の二人の副学長、新学部(商・国際文化・理の3学部を統合
した国際総合科学部)の学部長と新大学院の研究科長が、すべ
て上からの任命によってきまった、大学の普通の教員は一切そ
れをしらされず、後から、しかも記者会見資料のコピーで知ら
された、ということである。

日本全国の大学人は、こうした事態をどのように考えられるだ
ろうか?

ここには、大学の自治(学問の自由を保障する制度)があるとい
えるだろうか? 単なる行政組織ではないだろうか?上意下達
の行政組織の原理と大学の原理とは必ずしも一致しない。大学
の使命に合致した組織原理こそが必要なのではないか?

新学部・新研究科を発足させるならば、それらの教授会を発足
させ、その構成員による選挙を実施すべきではなかったのか?
 その選挙結果を学長や法人が尊重して任命権を行使するとい
う、ごく普通のこれまでの大学で確立した原則を適用すべきで
はなかったのか。学校教育法や憲法に従った学則では、これま
でそのような手順が踏まれてきたのではないか? 本学でも新
学部・新研究科の教授会(その準備組織、予定組織)がいまだ形
成されてはいないが、こうしてみると、東京都立大学に関する
人見教授の問題点の指摘(*1)は、本学にも当てはまるのではな
いか?
*1 http://www.kubidai.com/modules/xfsection/article.php?articleid=14

市議会で定められた定款に基づく任命権を、大学の独自の歴史
やあり方を考慮することなく、抜き身で行使するという今回の
やり方は、本学だけではなく全国の大学に今後非常に重大な影
響を及ぼすのではないか?

世界で自由と民主主義の大切さがますます認識され、ひとびと
のなかに自由と民主主義の原理が広く深く浸透しているとき、
現在の大学改革において、このようなトップダウンのやり方が
まかり通ることはいったいどうしたことか?今回、上から指名
された人々が、教授会・研究科の構成メンバーのどれだけの支
持と共感を得る人々なのか、これを確認しておかなくていいの
か? つまり、どのような人々、どのような割合・数の人々に
よる支持を得た人々なのかが不明なままで、行政的に任命され
たものが大学行政の執行権を掌握することは、大学の自由で活
発な研究教育と相容れることなのであろうか?それは、独立性
や、自律性を標榜して行われた独立行政法人化の大学において、
公立大学法人の大学としてとるべきやり方なのであろうか? 
いったいその独立性、自律性は誰のものか?

こうした本学の事態を考える比較素材として、上で言及した
「首都大学東京」に関する設置審への緊急署名で公表されてい
る意見、たくさんの人々が大学の命である「大学の自治」、
「学問の自由」の見地から述べている意見にリンク(*2)を張っ
ておきたい。本学で進行している事態といったいどこが、どの
ように違うのか?
*2 http://ac-net.org/appeal/7/i-iken.php

━ AcNet Letter 187 【5】━━━━━━━━━━ 2004.09.29 ━━━━━━

blog ガ島通信 「ブログ新聞の意義」2004年09月28日
http://blog.livedoor.jp/zentoku2246/archives/7329277.html

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#(編註:地方在住記者のブログ。引用されている「ジャーナリズ
ム考現学」は「中央在住」記者のブログ。面白いコンテンツが多い
が、「記者クラブは権力監視に不可欠」という信念の表明に衝撃を
受けた。ブログ「ガ島通信」を書いている記者はメディアの現状を
かなり冷静に認識しているように思う。)


「このブログでも何度も取り上げた読売新聞の報道姿勢問題にから
んで、木村剛氏が「ブロガー新聞の発刊」を提案しています。有
力なブログサイトに、いろいろなスタンスをもったブロガーが集
まり、議論を深めるというのはメディアリテラシーにとっても非
常に重要なことといえるでしょう。私もいい内容の記事?を書い
たときは積極的にトラックバックしていきたいと思っています。

ところで、私の「新聞はハダカの王様」を「ジャーナリズム考現
学」で取り上げていただきました。少々批判的なことも書いてい
ますが、某通信社のブログのように双方向の道が閉ざされること
はなく、非常にうれしく思います。そこでの議論ですが、残念な
がらその発想そのものが全国紙的だな〜と思うのです。

 地方=たいしたニュースもない・地味なところ(もちろん決して
否定的に書かれていないことは理解しています)

 中央=国家権力と対峙

という設定がです。地方の権力だって同じです。警察官だって検
察官だって、町議、村議、役場の職員。全てが積み重なって日本
のこの腐った官僚システムとそれと持ちつ持たれつの既存メディ
アが出来上がっているわけで、地方と中央に本質的な違いはない
と考えています(私の書き方が悪かったのかも)。少し前に全国
を騒がせた警察の裏金問題も高知新聞と北海道新聞の報道がきっ
かけですし。国=偉い、地方=まあまあ、という意識が見え隠れ
するようで、どうも。ただ、国を揺るがすような問題になるには、
在京大手紙やテレビ局が取り上げないとニッチもさっちにも行か
ないという点では、地方は苦しい立場です。ですから、なおさら
全国紙の方にはしっかりしてもらいたい!!!そう思うのです。

さらに、同じ「ジャーナリズム考現学」には、『記者クラブは優
遇されているわけでない』と書かれています。しかし、記者クラ
ブというのは官庁の中に部屋があり、ファックスやコピー(最近
では各社が負担するケースが多い)に、ソファーでの仮眠や担当
職員による茶菓子のサービスまであったりするわけで、特権的階
級であることは間違いないでしょう。もちろん、私も『毎日闘っ
ている』記者がいることは知っていますし、政治家や官僚の不正
を暴いた数多くのスクープを否定するつもりはありません。しか
し、霞ヶ関では会見で質問する際に記者クラブの担当キャップに
内容を事前に話さないと会見で質問もできないというクラブもあ
るとも聞いています(私は入れないので伝聞で申し訳ありませ
ん)。権力に擦り寄り、既得権益に甘える記者たちがいる。その
ような実態が、バレつつある今、いくら正論を語っても、メディ
アへの厳しい目をもつ人たちにとっては、辻本清美的な発言にし
か聞こえないのです。参照=「共同ブログ騒動2」

それに、『問題はメディア側よりも権力側にある』とありますが、
権力者は常に情報を隠し、自分たちに都合の良いことしか言わな
いものです。だから、それを暴けないとすれば、それはメディア
(ジャーナリスト)側の責任です。そんなことなら、もっと「闘
い続ける」気概を持った新しい担い手に道を譲る、もしくは参入
してもらい競争すればいいのではないでしょうか? 記者クラブ
を閉鎖しているのは、既存メディアが特権を失いたくないのはも
ちろん、異業種をバックに持った記者たちと競争するのが怖いと
いう側面もあるはずです。既存メディアのジャーナリズムの脆弱
性を認識しているからこそ、私はブロガーや新興企業のライブド
ア報道部に記者クラブを壊してもらい(本当は自ら特権を放棄し、
市場を開放する気概がほしいが、望むべくも無い)、さらに厳し
い競争に自らの身を置くべきだと思います。ブロガー新聞も既存
メディアへの緊張感をもたらす可能性があります。

あと、一つだけ思うのは、言論を守っているジャーナリズムの精
神は、『闘っている』全国紙や通信社の記者だけが持っているの
ではないのです。地方紙記者はもちろん、業界紙や週刊誌の記者、
それぞれの読者、そして一般市民もそのような精神を持っている
ということです。

最後に、この文書は「ジャーナリズム考現学」さんのメディアへ
の憂いやジャーナリズムへの深い洞察を否定するものでないこと
を書き加えておきます。このような議論ができることをとてもう
れしく思います。」

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趣旨:http://ac-net.org/letter/
ログ:http://ac-net.org/letter/log.php
#( )内は編集人コメント、「・・・・・」は編集時省略部分
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