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新首都圏ネットワーク


教学体制の保全に関する要望書
東京都立大学 学生・院生連絡会議 (2004.9.15)


平成16年9月15日

東京都立大学人文学部長 南雲 智様
東京都立大学人文学部教授会 御中

教学体制の保全に関する要望書


 私たちは、東京都立大学に在籍する学生・院生として、今後いかなる事態が
あろうとも、ゆらぐことのない私たちの地位と権利をここに確認するとともに、
私たちの学習研究環境の保障に直接責任を負う教学体制の保全を求めて下記の
要望を提出いたします。

 いかなる外部の高圧的な管理も私たちの学習研究環境とは相容れない性質の
ものであること、私たち学生・院生すべては、都立大本来の教育と研究環境を
当然に享受すべきであること、並びに、その自由な学生生活は脅かすことので
きない価値であることをご理解いただきたくお願い申し上げます。

 私たち東京都立大学の学生・院生は、これまで一貫して私たちの学習研究環
境の保障を求めてきました。しかし、現在まで具体的な回答は何一つ示されて
いません。このような中で、公立大学法人首都大学東京定款(たたき台)が示
され、その附則第11項は、「第19条第1項に規定するもののほか、法人に旧大学
ごとに当該大学の教育研究に関する重要事項を審議する機関として、教育研究
審議会を置く」としており、さらに同12項は、現大学の教育関連事項を決定す
るにあたって、首都大学東京の規定を準用するとしています。

 現在、東京都立大学においては、カリキュラムの編成、論文審査に関する事
項、学位の授与などは、東京都立大学学則と学部規則、あるいは大学院学則、
学位規程等にもとづいて教授会の権限とされています。すなわち、私たちの教
育研究に関する責任主体ならびに学習研究環境の保障主体は、各学部あるいは
各研究科の教授会となります。東京都は、私たちが東京都立大学に入学したこ
とをもって、入学時の学則等によって定められた高等教育を提供する契約を締
結しました。当該契約内容は、契約当事者が東京都から公立大学法人首都大学
東京へ変更されたとしても、信義則上、影響を受けるものではありません。私
たちは東京都立大学において、教授会等の現体制の責任のもと学習研究環境が
保障されることで、初めて契約の履行を得られたことになるのです。

 ところが、定款附則11項は「法人に旧大学ごとに当該大学の教育研究に関す
る重要事項を審議する機関として、教育研究審議会を置く」としているのみで、
「教育研究審議会」と現大学の教授会との関係が明らかでなく、教授会が本来
の機能を果たすことができるかについて危惧を招くものです。私たちの学習研
究環境の保障主体である現大学の教授会が、今後十分にその機能を発揮できな
い状態におかれるならば、公立大学法人首都大学東京が私たちに対して契約を
履行するのは不可能となります。また附則12項は、現大学の教育関連事項を決
定するにあたって、首都大学東京に適用されるべき規定を準用するとしていま
すが、新大学である首都大学東京の体制がいかなるものであろうと、そのよう
なものは現大学に在籍する学生・院生にいささかも関係のないことです。公立
大学法人が発足するにともない、現東京都立大学の学則が不可避的に改変され
るとしても、新大学である首都大学東京の体制を東京都立大学に適用すること
は、当初私たちが入学時に締結した契約に明らかに違反するものです。まして
学則の改変が正規の手続きを経て行われなければ、とうてい私たちの受け入れ
られるものではありません。

 人文学部教授会におかれましては、教育研究事項についてその責任を全うし
ていただくとともに、私たちの学習研究環境の保障に万全を期していただきた
く、ここに要望いたします。

東京都立大学 学生・院生連絡会議

学生自治会執行委員会
人文科学研究科院生会
史学科院生会
社会科学研究科院生有志
連絡先:(略)