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新首都圏ネットワーク


琉球新報更新 2004年9月21日 火 14:32

大学自治の危機訴え 沖国大ヘリ墜落シンポジウム

 「沖国大米軍ヘリ墜落事故・緊急シンポジウム」(主催・沖縄の大学関係者・
市民による緊急シンポ実行委員会)が20日、宜野湾市の沖縄国際大学で開催さ
れた。会場には約300人が参加し、普天間基地の閉鎖と全面返還を求めたア
ピール文を採択した。シンポジウムでは、大学の自治が危機的状況にあることが
報告。多くの参加者から「事故を風化させてはならない」「普天間基地が撤去さ
れるまで黒い壁は残すべきだ」との意見が相次いだ。

 主催者を代表して琉球大学の波平恒男教授が「今回の事故で大学の自治が犯さ
れた。大学人として何かしなくてはいけない」とあいさつ。照屋寛之沖国大助教
授が経過説明の中で「米軍が勝手に大学に入り、立ち入り禁止にした。いわば占
領状態。抵抗できないまま立ちすくんでしまい悔しかった。大学に許可なく木を
切り倒した」と大学の自治を侵害された事例を報告した。

 続いて、大学自治、地位協定、米軍基地再編をテーマに3氏が報告。

 西原森茂沖国大教授は「大学は(ヘリ事故の)問題を何らかの形で論理化し、
思想化して長期的なスパンで展開させていくのが使命だ」と訴えた。

 琉大大学院の高作正博助教授は、ヘリ事故での米軍の行為を、地位協定や日米
合同委員会合意事項に照らし合わせながら米軍の違法性を検証した。

 伊波洋一宜野湾市長は「世界の米軍再編の流れから日本だけが取り残されてい
る。再編する今こそ声を出さないといけない」と訴え、日本政府の米国と交渉し
ようとしない弱腰の姿勢を批判した。

 続いてシンポジウムでは、各大学の教師や市民がマイクを握って次々と発言。
「沖縄の基地を『ヤマトに持って行け』と言えないのは、基地を沖縄の子供たち
に押し付けることになる」「本館をなくしてという声と保存してという声をどう
調整するか。

沖国大だけでなく県民の記憶に変えるものにするよう、責任を持って説明すべき
だ」との意見が相次いだ。県外の大学関係者約200人から連名でメッセージが
寄せられた。