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新首都圏ネットワーク


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Academia e-Network Letter No 182 (2004.09.21 Tue)
http://letter.ac-net.org/04/09/21-182.php

━┫AcNet Letter 182 目次┣━━━━━━━━━ 2004.09.21 ━━━━

【1】設置審への要望書賛同者への最終報告

【2】桃福サイト内井上教授裁判のページより:
京大井上教授裁判:今後の予定と9月9日の報告
http://www10.ocn.ne.jp/~luckybrd/inouekyoujyusaiban.htm

【3】 [SciCom News] No 50, No 51 より

 【3-1】No.51 (Mon, 20 Sep 2004) 拾い読み
No 1 http://blog.melma.com/00106623/20040920060021
No 2 http://blog.melma.com/00106623/20040920060013

 【3-2】No.50 2004.9.13 Vol.3 編集後記
[研究は大学じゃなくてもできる?]
http://blog.melma.com/00106623/20040913060146

【4】お便り紹介:朝日新聞(9/5)書評
「内側からみた富士通 "成果主義"の崩壊」
http://book.asahi.com/review/index.php?info=d&no=6600

【5】Publicity No.1014(2004/09/20/月)から
古田の決断の本質−−プロ野球ストライキ
http://takeyama.jugem.cc/?eid=50

 【5-1】カトラー:katolerのマーケティング言論 より
読売新聞が死んだ日 2004.9.20
http://katoler.cocolog-nifty.com/marketing/2004/09/post_5.html

━ AcNet Letter 182 【1】━━━━━━━━━━ 2004.09.21 ━━━━━━

転載

設置審への要望書賛同者への報告

──────────────────────────────
To: appeal7
Subject: 報告
From: admin@appeal7.ac-net.org
Date: Sun, 19 Sep 2004 21:50:43 +0900
2004年9月19日

賛同者 各位

今回の24時間署名「首都大学東京の認可を急がないでください」
につきましては、締切後に、この活動について支持する意見と、
この署名活動を疑問視する意見を頂きました。このメイルで、こ
の署名活動の最終報告といたします。

署名活動が設置審の審議にどのように反映したか確認できていま
せん。

17日の設置審の結果は21日にメディアに公開されるそうです。私
たちに寄せられた情報によりますと

・首都大学東京の認可は確定だそうです。
・認可には「留意事項」があるそうです。私達は「留意事項」の
内容を非常にあいまいな形でしか把握していません。

17日の設置審が、研究・教育の自由が保証されにくい強権的な行
政主導の大学を認可したことは、日本の大学制度にとって非常に
不幸です。

みなさんが行っている、大学の自治を実体化する活動に成果があ
りますように念じております。

ご協力ありがとうございました。

栗山次郎

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#(編註:これは、賛同者277名に19日夜に送付されたものです。
なお、これは栗山氏の口述を編集人が筆記したものですが、メー
ル・ファックスが共につかえず、最終的な文を直接確認してい
ただくことができませんでした。

No 179 に書きましたように、署名のご提案の連絡がメールトラ
ブルのために遅れたため、栗山氏は時間的に実施は無理と判断
されていたのですが、編集人の判断で署名を開始しました。そ
の後の混乱は編集人の判断ミスによるものです。お詫びいたし
ます。なお、文部科学省の担当の方にファックスした他に、会
議前に直接にメールで送付できた方は大学設置分科会長の他は
少数でした。他の委員の方が全く知らない懸念もありますので、
会議後ですが277名(+ 期間中に署名されたが記録されなかった
方1 名)の名簿とメッセージを全員に郵送しました。

なお、ある高等教育研究者から、この署名運動に対する批判
のメールがあり、意見交換が若干ありました。承諾を得ました
ら「往復書簡」を転載したいと思います。)


━ AcNet Letter 182 【2】━━━━━━━━━━ 2004.09.21 ━━━━━━

桃福サイト内井上教授裁判のページより:
京大井上教授裁判:今後の予定と9月9日の報告
http://www10.ocn.ne.jp/~luckybrd/inouekyoujyusaiban.htm

──────────────────────────────

「10月7日午後1時15分より別館7階72号室で第9民事部の第2回目
裁判があります。

9月9日(木)午後1時45分より大阪高裁別館7階74号法廷で第
11 民事部の第2回目の裁判が順調に行われました。書類提出
致しました。 

第11民事部の第3回目公判は11月4日午前10時(別館7階74号室)
より行われます。  

任期制の再任拒否事件は二つの部署で分けて裁判されていま
す。京都から尾藤主任弁護士を中心に神崎弁護士と湯川二朗
弁護士(行政法専門)東京から新井章弁護士の行政訴訟のス
ペシャリスト4名の強力弁護団です。韓国より一歩先んじた
判決を期待。裁判の傍聴応援をお願い致します。」

━ AcNet Letter 182【3】━━━━━━━━━━ 2004.09.21 ━━

[SciCom News] No 50, No 51 より

──────────────────────────────
【3-1】No.51 (Mon, 20 Sep 2004) 拾い読み
No 1 http://blog.melma.com/00106623/20040920060021
No 2 http://blog.melma.com/00106623/20040920060013
登録:http://scicom.jp/mailmag/
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#(▼は、SciCom News のコメント)

●広がる“患者図書館”、医療関係者向けの
学術文献を個人でも手軽に利用可能に
http://biotech.nikkeibp.co.jp/news/detail.jsp?id=20026963

▼大学の外に出ないと分かりにくいことかも知れませんが、ふ
つうの市民が論文を入手するのは難しいとまでは言わないにし
ろ、手間がかかります。市民の科学、科学コミュニケーション
にとって、これは大きな問題だと思っています。

──────────────────────────────
●週刊エコノミスト 9/21号
http://www.mainichi.co.jp/life/family/syuppan/economist/040921/

▼学者が斬る[181]
 数合わせの「三位一体」改革は義務教育の不平等を拡大する
  苅谷 剛彦

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●授業料払えず自主退学の男性、大学に100億円を寄贈
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200409160026.html

──────────────────────────────
●FDA Links Drugs to Being Sucidal
September 14, 2004
http://www.nytimes.com/2004/09/14/health/14depress.html?th

▼FDA(食品医薬品局)は幼少時のの抗うつ薬使用が10代の
自殺に影響することを初めて認める。マスコミのプレッシャー
のかけかたが、すごかった。

──────────────────────────────
●Threatened subjects offered lifeline(September 16,The Guardian)
http://education.guardian.co.uk/administration/story/0,9860,1305857,00.html

▼政府が、減少しつつある領域を守る方針を表明。教育相の
Charles Clarkはいまや40学部しかない化学とともに日本語も例
にあげて、大学副学長らに語った。

──────────────────────────────
●●Rector speaks out over forced university closure
http://education.guardian.co.uk/higher/worldwide/story/0,9959,1307097,00.html

▼ガーディアン。権力に批判的な大学が閉鎖命令。

#(「ヨーロッパ最後の独裁者」と呼ばれることがある、ベラルーシ
ュのルカシェンコ大統領*が、政権に批判的な大学に閉鎖命令:
(* http://www.geocities.jp/hmichitaka/luka.htm )

...In March, president Lukashenko called for reforms in
education to strengthen the government's position in the
sector, saying that a "battle for the minds of our
people" was occurring in the country....

"... This pressure runs counter to the essential
democratic value of academic freedom and, by extension,
runs counter to the best interests of Belarus as it
develops itself within the international community," he
wrote....)

──────────────────────────────
●女性の高等教育:
日本は最下位 OECD調査
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20040915k0000m040120000c.html

文部科学省の解説
『図表でみる教育 OECDインディケータ(2004年版)』(Education at a Glance)
の概要について
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/002/04091401.htm

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【3-2】No 50 編集後記 【研究は大学じゃなくてもできる?】
[SciCom News] 速報版 No.50 2004.9.13 Vol.3 より
http://blog.melma.com/00106623/20040913060146

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■この欄ではかねがね研究者の多彩なキャリアパスについて、
つまり研究歴のある院生、ポスドククラスの若手研究者に向け、
研究職以外の職にも目を向けてはどうか、ということを書いて
きました。

■繰り返しになりますが、大学院生やポスドクが増えているの
にも関わらず、アカデミックポストが限られ、限られたポスト
の奪い合いとなっている現状を考えると、どう考えても希望者
すべてが大学やその他の研究所において研究職となることはで
きません。

■よって、大学院生やポスドクは科学行政、ジャーナリズム、
知財、金融、中等教育など様々な道を見つけ、勇気を持って一
歩踏み出そう、と述べてきたわけです。

■しかし、そう書いてきた私達は、ある常識に強く捕われてい
るのではないか、と思います。それは、大学や研究機関でない
と研究はできないという常識です。

■ある種その通りでしょう。大型機器を使ったり、試薬を使っ
たりするような研究を、一市民の立場で行うことは極めて難し
いでしょう。

■しかし、研究への強い思いを持った人たちが、研究をまった
くできなくなるというのは辛いことです。また、このことが研
究職へ固執する理由になり、多彩なキャリアの実現を阻んでい
るのではないでしょうか?

■よって研究を大学等研究機関所属の人たちだけのものにする
のではなく、文字どおり市民自身が研究できるような環境を作
ることが重要なのではないかと思います。

■市民が研究するには二つの方法があると思います。

■まず第一は、ヨーロッパのサイエンスショップ、アメリカの
community based researchのように、NPOのような団体が研究
を行うという方法です。

■これは、環境問題や遺伝子組み換え食品など、市民の関心の
深いテーマについて、NPOのメンバー自身が特定の団体への利
害関係なしに行うというものです。

■この方法では、既に様々な団体が質の高い研究を行っており、
日本でもその可能性が模索されています。この研究は、ローカ
ルな知が生きるという意味で、むしろその地域の市民や消費者
などの利害関係者のほうが優位に立てる可能性のある研究だと
思います。

■こうした研究は今後ますます必要となってくることと思いま
すし、意義あることだと思います。

■一方、もっと純粋に知を楽しみたいという人もいるのではな
いでしょうか?研究が好きな人は、好きなことを研究したいは
ずです。

■そんな知の欲求をみたす方法があるのでしょうか?

■米本昌平氏は、「ホビーとしての科学研究」「消費としての
科学研究」を唱え、知的欲求を満たしたい人(これは若手ポス
ドク経験者でなくても、だれでもいい)が研究を行える環境を
整えることで、研究市場ができて、雇用創出や景気回復にもつ
ながる、と述べています。

■具体的には、「貸しラボ」のようなインフラの整備、研究費
獲得代行業、研究コンサルタント、短期研究留学ツアーなど研
究周囲のサービス業の発展などが必要になるということでしょ
うか。これらが経済を刺激するようになるわけです。研究歴の
ある人の就職先にもなり得るかも知れません。

■こうしたインフラやサービス業の発展は、NPO的研究にとっ
ても好都合です。

■まだ「研究消費市場」が実現するのには時間がかかるでしょ
うが、質の高い研究がアカデミア以外でもできるとなれば、社
会と科学の関係も大きく変わるでしょう。なにより、研究者の
意識も変わるに違いありません。

■やや常識はずれなことを言ってしまいましたが、サイコムジャ
パンとしても、科学コミュニケーション等についての研究を行
い、上で書いた「研究消費社会」を実践できればと願っていま
す。

参考専門家と素人の間 米本昌平 岩波講座科学/技術と人間
(2) 岩波書店(1998)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000109324/nposciencecom-22/

生命の政治学 広井良典 岩波書店(2003)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000236369/nposciencecom-22/

■ご意見ご要望等は
office@scicom.jp
までお送り下さい 【深】。

━ AcNet Letter 182【4】━━━━━━━━━━ 2004.09.21 ━━

お便り紹介

──────────────────────────────
AcNet Letter 157 (3) 2004.08.08
城 繁幸 (Kobunsha Paperbacks) 2004年7月30日発売
「内側からみた富士通 "成果主義"の崩壊」
---
を紹介しておられましたが、同書について、9月5日の朝日新聞
読書面書評欄の「ベストセラー快読」で、永江朗というライター
が富士通及び成果主義に痛烈な批判を浴びせています。
(http://book.asahi.com/review/index.php?info=d&no=6600)
なお、この著者は「元富士通人事部社員」とのこと。この本は
発売一ヶ月ほどで既に6刷12万部(定価千円)が売れたそうです。
著者のことと売れ行き好調なこと、および定価が税込み千円と
手軽なことの三点を追加して再度紹介されてはいかがでしょう
か。以下にasahi.com内にある要旨などを御参考にお送りします。
====
http://book.asahi.com/category/s_book.html?code=4334933394&flg=0
内側から見た富士通:「成果主義」の崩壊
城繁幸[著] 出版社:光文社 発行:2004-07-30
体裁:235 19cm(B6) ISBN:4334933394 価格:1,000円(税込)
──────────────────────────────
#(編註:書評より

「従業員の間に競争原理を持ち込めば生産性が上がる、
というのは、いかにも無能な経営者が飛びつきそうな考
え方だ。でも、現実はそんなふうにいかない。人は飴と
鞭だけではやる気が起きない。心地よさや安心感、そし
て仕事そのものに楽しさがなければ働けない。それらを
失った職場は、確実に荒廃する。」

しかし、成果主義の導入に熱心な大学は少くない。総合科学技術
会議が成果主義の音頭を取っているからと言って飛びつくのは自
損行為に近い。ただ、その導入を検討している人は、大学が荒廃
したからといって直接被害を受けて「自己責任」をとらされるわ
けでもないし、また、荒廃の原因を作ったことについて個人とし
て何か責任をとらされる可能性は全くない。そういう気楽さが、
この本にあるような深刻な現実が無視され、硬直した陳腐な机上
の空論が無数の大学改革検討委員会で繰り返される原因であろ
う。)

━ AcNet Letter 182【5】━━━━━━━━━━ 2004.09.21 ━━

Publicity No.1014(2004/09/20/月)から
古田の決断の本質−−プロ野球ストライキ
http://takeyama.jugem.cc/?eid=50
Publicity 登録: http://www.emaga.com/info/7777.html

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「・・・選手たちを、コンビニのアルバイトじゃあるまいし、
使い捨ての契約社員のような扱いで上から下に見下している、
オーナーたちの人間としての傲慢こそ、プロ野球衰退の根源で
ある。オーナーたちには、ボールへの、芝生への、プレーへの、
ファンへの、すなわち野球への愛=サービス精神が決定的に欠
如しているのだ。

残念ながら、プロ野球の「終わりの始まり」(二宮清純)は始
まっている。長嶋茂雄の入院が、はからずもこの1年のプロ野
球界の動きを象徴してしまった。

オーナーたちにとっての「長嶋天皇」の有形無形の効力は、ア
テネ五輪で果ててしまったように見える。しかしそれはプロ野
球界全体にとって、皮肉にも「不幸中の幸い」だったと思う。

古田会長の決断の本質。それは、天皇がいなくなった野球の国
の荒野に、真の共和制をつくるための第一歩である。心ない非
難中傷の矢面に立ち、理性を保てる「彼だからこそ戦えている
戦い」であることに異論を挟む人は少ないと思う。

今起きている出来事は、プロ野球改革を通して、「まったく新
しいスポーツ」を誕生させる挑戦でもある。そのことに、NH
K等でメジャーリーグの試合を観戦し、日本プロ野球とメジャ
ーリーグとの、あまりにも著しい違いを目にしている多くのニ
ッポン人も、気づいていよう。どうか悪知恵深き老人たちに騙
されず進んでほしい。」


─────────────────────────────
古田「オーナーたちと話をしたいという気持ちはある。その方
が(議論が)開かれた感じがしていいのではないか」

渡辺「無礼なことを言うな。分をわきまえないといかん。たか
が選手が。立派な選手もいるけど。オーナーと対等に話をする
協約上の根拠はひとつもない」/朝日7月8日
─────────────────────────────


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【5-1】カトラー:katolerのマーケティング言論 より
読売新聞が死んだ日 2004.9.20
http://katoler.cocolog-nifty.com/marketing/2004/09/post_5.html
──────────────────────────────

「・・・1千万部を誇る天下の読売新聞が、社説という新
聞の顔で、とうとうこうした恥さらしな文章**を晒すよう
になってしまったのかと思うと本当に情けなくなる。読売
新聞という、本来、読者や社会に対してどこまでも開かれ
ていなくてはならない存在が、「仲良しクラブ」あるいは
「記者クラブ」のように、外部に対して閉じられてしまっ
たのだ。それはマスコミとしての死を意味する。

以前の記事で、長嶋の解任が騒ぎがあったときに、私は読
売新聞社に直接電話をして、抗議するとともに読売新聞の
購読をやめたという話を書いた。実際、こうした人々は数
多くいたようで、当時、数十万部の単位で読売は部数を落
とし、以後、長嶋批判は読売新聞ではタブーになった。私
が、今も巨人ファンで読売新聞を購読していたとしたら、
この読売新聞の存亡の危機に際して、一人の読者としての
考えをわかってもらうため、何ヶ月か読売新聞の購読を止
めることだろう。野球の将来、読売新聞というマスコミの
将来を憂える人々にとっては、選手会がストをやるのと同
様に、ボイコットという選択肢もある。」

#(** 讀賣新聞社説2004.9.19
 [プロ野球スト]「何が選手たちの真の望みなのか」
 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20040918ig90.htm)
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編集発行人 辻下 徹 連絡先: admin@letter.ac-net.org
趣旨:http://ac-net.org/letter/
ログ:http://ac-net.org/letter/log.php
#( )内は編集人コメント、「・・・・・」は編集時省略部分
登録:http://letter.ac-net.org/s.php
転送歓迎(転送時に:http://ac-net.org/letter 併記希望)