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新首都圏ネットワーク


『日刊県民福井』2004年9月11日付

県立大改革で最終報告書
地域貢献を強化
検討懇話会 経営感覚導入など柱


 「県立大学あり方検討懇話会」の最終報告書がまとまり十日、小川英次会長
(中京大学長)が西川一誠知事に提出した。少子化による大学間競争の激化な
ど、大学を取り巻く環境が厳しさを増す中、報告書では▽地域貢献の強化▽教
育の重視▽大学経営の視点の導入−を今後の改革の三本柱に設定した。近く県
立大と県で改革推進会議(仮称)を立ち上げ、法人化の時期なども盛り込んだ
改革基本方針を来年一月ごろにまとめる。

 報告書では、今後の地域貢献の取り組みとして、地域との連携推進や情報発
信の強化、学部・研究科の見直しを提言。地元の要望が強い小浜キャンパス・
海洋生物資源学科の学部化については「法人化後、総合的に検討していくべき
である」と含みを持たせた。

 また、教育重視の観点では教育力の向上や適正な成績評価、就業教育の充実
を指摘。大学に経営の視点を導入する改革については「法人化に向けた具体的
な検討に入るべきだ」と言及し、それに伴う課題を挙げた。

 小川会長は「県立大はユニークで特徴があり、ポテンシャルが高い」と期待
を寄せ、報告書を受け取った西川知事は「十分に議論を深め、改革を実現した
い」と応えた。

 これに先立ち開かれた最終懇話会で「法人化前に組織運営や評価項目の議論
が必要だ」「報告書をバイブルとせずに、フレキシブルに対応してほしい」な
どの意見があり、祖田修学長は「懸命に改革に取り組み、県民の期待に応える
大学にしたい」と謝辞を述べた。

 同懇話会は昨年九月に設置され、学識経験者や企業経営者らが七回にわたっ
て意見を交わした。県民の意識調査や意見募集も実施し、報告書に反映させた。

 (長谷川 祐一)