トップへ戻る   以前の記事は、こちらの更新記事履歴
新首都圏ネットワーク


『中日新聞』三重版 2004年9月5日付

文科省、概算要求盛り込まず
三重大病院建て替え事業


 文部科学省が八月末に財務省に提出した二〇〇五年度予算の概算要求に、三
重大(津市)が要望していた医学部付属病院建て替え事業の補助金が盛り込ま
れなかったことが分かった。

 三重大付属病院は一九七三(昭和四十八)年に建設され、老朽化が進んでい
るため、文科省に建て替えを要望していた。

 大学側の試算では、新病院の建設費は数百億円に上る。国立大が法人化され、
建設費の一割は文科省から補助金が交付されるが、残り九割は大学で負担しな
ければならなくなった。その多くを借入金に頼らざるを得ないという。

 概算要求を見送った理由について、文科省文教施設企画部の担当者は「新病
院を建設した場合の借入金の返済計画が綿密でないので、建設を認めるわけに
はいかない」と説明。

 三重大の福島健郎理事(財務・経営担当)は「建て替えは十年以上かかる大
事業。今回は予算化されなかったが、長い目で見れば影響はない。〇六年度で
予算化されるよう綿密な建設計画を立て、より良いサービスが提供できる病院
づくりを目指したい」と話している。
(紙山 直泰)