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<経産省>製造技術者育成へ 来年度から大学を拠点に


毎日新聞ニュース速報

 経済産業省は17日、ハイテク関連などの高度な製造技術の担い手を大学で育
てる「中核人材育成プログラム」を来年度から始める方針を明らかにした。団塊
の世代が続々と定年を迎え、生産現場を去る中で、大学を製造業の中核的な人材
の育成拠点と位置づけて、国際競争力の向上を図ることを狙っている。同省は0
5年度予算の概算要求に、大学向け補助金など約35億円を盛り込む。初年度は
35カ所での実施を予定している。

 同プログラムでは、工学系の大学や大学院、高等専門学校などの学生を3〜6
カ月間、企業に派遣し、実際の生産現場を教室にして、ベテラン技術者らが講師
となり、製造技術を教える。個別大学で実施するほか、東大阪市などの中小企業
が集積している地域で、複数の大学と地元企業が「産学コンソーシアム」を結成
し、より多くの学生が多様な技術を習得できるようにする。

 製造業の中核を担ってきた団塊の世代(約650万人)は07年以降順次定年
となり、製造部門の技術者の世代交代が一気に進むことが予想されている。この
急速な変化に対して、製造業の中核となる人材を企業が時間をかけて育成する従
来のやり方では対応が難しくなってきている。このため、同省は、製造業の国際
競争力を維持、向上させるには、大学など外部の教育機関で、技術、意識の両面
で中核となる人材を即戦力として育てる必要があると判断した。

 同プログラムでは、▽新技術を素早く生産工程に応用する▽技術開発から設計、
生産までを一体的にこなす▽分子レベルのナノテク技術を駆使した製品開発を進
める――など、生産現場ならではの実践的な課題に取り組む。同省は「学生が企
業に出向いて研修する、これまでのインターンシップでは、仕事や会社の大枠を
知るのが狙いだったが、今回のプログラムでは、技術を身に着け、最先端の生産
技術者への第一歩を踏み出してもらうことを目指している」と説明している。

【須佐美玲子】



[2004-08-18-03:01]