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新首都圏ネットワーク


『北海道新聞』2004年8月6日付

札医大、06年にも法人化−知事表明 道と大学の思惑一致


 高橋はるみ知事は五日、札幌医大(今井浩三学長)の独立行政法人化につい
て、早ければ二○○六年四月にも実現する考えを明らかにした。道は財政再建
策の一つに掲げ、大学側も激化する大学間競争への対応策として早期実現を求
めており、両者の思惑が一致した格好だ。

 高橋知事は同日の今井学長らとの意見交換の中で、大学側が「○六年四月に
は独法化を」と要望したのに対し「その考えで進めていただきたい」と答えた。

 ただ、独法化となれば大学職員が非公務員となるため、「反対している職員
もいる」(高橋知事)のが実情。道も大学側も「できるだけ早期」(今井学長)
との考えだが、実現に向けては幅広い職員の同意が必要との認識で、調整の時
間を考えれば「早くても○六年四月」(道幹部)が現実的だと判断した。

 この問題では、大学側が昨年十二月、道に早期実現を要請していた。今年四
月から国立大学が独法化したのに伴い、優秀な教授陣や学生の確保などで大学
間競争が激しくなるのは必至。そのため、大学側は「勝ち残るには、予算の執
行や民間企業との連携などで、柔軟な対応が可能な独法化の早期実現が必要」
(大学幹部)と判断した。

 道も昨年十二月にまとめた「地方独立行政法人制度に関する指針」の中で、
札幌医大を対象の一つに挙げ、七月末に決めた財政立て直しプランの中でも、
同大の独法化を歳出削減策の検討事項に盛り込んでいた。