トップへ戻る   以前の記事は、こちらの更新記事履歴
新首都圏ネットワーク


『毎日新聞』和歌山版 2004年7月14日付

和歌山大、観光学部を設置へ 06年春、開設目指す??学長が構想 /和歌山

 ◇世界遺産登録で好機

 和歌山大学(和歌山市栄谷)の小田章学長は、学内に新たに観光学部を設置
する構想を打ち出した。早ければ06年4月の開設を目指しており、今月下旬
に文部科学省を訪れ、構想を説明する。小田学長は「4月から国立大学が法人
化され、生き残るためには特色づくりが必要。高野・熊野地域が世界遺産に登
録され、好機と判断した」と話している。

 構想では、定員は1学年150〜200人。観光をテーマにしながら、経済
や法律、歴史、文化、自然科学などいくつもの領域が多面的にかかわるカリキュ
ラムを組む予定で、ホテルや旅行会社、自治体職員、通訳など観光産業に従事
できる人材を育成する。長期海外留学を必修にするほか、2カ国以上の外国語
を習得させることも計画。

 6月上旬、各学部の代表者らでつくる新学部構想検討部会(12人)を発足
させ、これまで3回会議を開いた。政府が観光立国を主要政策として打ち出し
ている▽観光学部を開設している国立大がなく、特色を打ち出せる▽高野・熊
野を中心とした「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録で県内でも観光へ
の関心が高い−−などから、観光学部の設置が最適と判断した。県商工会議所
連合会も6月、大学側に観光学部設置、県に側面支援をそれぞれ要望した。

 現在、同大は経済、教育、システム工学の3学部があり、実現すれば4番目
の学部になる。小田学長は「これまで認知度が低かった観光学を学として全く
新しい形で確立し、日本や世界をリードしたい」と意気込んでいる。【藤田剛】