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『中国新聞』2004年7月13日付 割増賃金不払いで広島大を労基署に告発 きょう、教職員組合 広島大教職員組合は十三日、国立大法人化後の同大で時間外労働の賃金不払 いがあるなどとして、広島中央労働基準監督署に、立ち入り調査を求める告発 をする。文部科学省人事課は「国立大法人が告発された例は聞いてない」とし ている。 告発状によると、主な問題は(1)労使協定を超える時間外労働があるにも かかわらず、大学側が実労働時間の把握をしない(2)予算枠を理由に、割増 賃金を月十〜三十時間程度しか払わず、実態に即していないムの二点。六月初め まで東広島キャンパスの非常勤事務職員だった女性の勤務時間メモを証拠とし て提出する。 組合によれば、超過勤務は特に事務職場で顕著で、クレームが出始めたのは、 法人化から二カ月近くたった五月下旬。組合幹部が六月上旬、三カ所で調査し たところ、午後八時半以降も恒常的に残業しているにもかかわらず、給与明細 には月十時間程度の残業手当しか付いていないなどの実態が明らかになった。 組合は六月十六日と三十日に大学側に改善を求める申し入れをし、それぞれ 回答を得たが、具体的な改善策は示されなかったという。 委員長の佐藤清隆大学院生物圏科学研究科教授は「法人化直後だからこそ是 正しておくべきだと思い、告発を決断した」と説明。仕事の増大は、法人化に 伴う業務量増や職員数削減方針などの影響とみる。 同組合の組合員は約七百六十人で、組織率は約二〇%。 |