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『岐阜新聞』2004年6月30日付 岐阜大、独自で大学院/10年度に設置方針/3大学「連農」解散へ 岐阜、信州、静岡の三大学は二十九日までに、三大学で構成する岐阜大学大 学院連合農学研究科(博士課程)を二〇〇九(平成二十一)年度をもって解散 することで合意した。代わって、三大学は、それぞれ自前の新しい大学院(博 士課程)を設置する方針。国立大学法人化を機に、各大学が一層の個性化を図 る考えだ。全国には、十研究科の連合大学院(参加校は計二十六大学)がある が、解散を決めたのは初のケース。 岐阜大学は、一〇年度に新しい大学院を設置する。応用生物科学部(旧農学 部)単独とするか、教育、地域科学部も加わり、環境や生命科学、バイオの分 野とするか、今後検討していく。 連合大学院は、単独では博士課程を持てないような地方大学を中心に三、四 校がグループを作って発足した。農学分野が多い。院生は、複数の大学の教官 に指導を受け、研究できるメリットがある。 岐阜、信州、静岡大による連農は一九九一(平成三)年に発足した。 三校の中心役となる基幹校でもある岐阜大学は、以前から自前の大学院を持 つ方向性を主張してきたが、約一年前には、信州大も農学系分野を自前の大学 院に融合させる方針を示し、連農から抜ける意向を明らかに。連農は枠組みを どうするか、大きく揺れていた。 一方、今年五月、静岡大も自前の新大学院を発足させる方針を表明。文科省 との協議の上、連農は、発展的な解消をすることで合意した。 現在在籍する院生百六十八人については、三大学が、卒業まで指導責任を負 う。連農組織が消滅した後も、三大学は研究、教育面で協力体制を維持する。 岐阜大学の黒木登志夫学長は基幹校の立場として「各大学の個性化を支持す ることができた」と解消の意義を話し、新たな大学院設置に向けては「農学系 では論文被引用度、研究で高い評価を得ており、旧帝国大に質では引けを取っ ていない」と自信を見せている。 (鷲見進) |