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『朝日新聞』2004年6月23日付 独立行政法人、役員7割天下り 改革前と変わらぬ比率 小泉首相が掲げた特殊法人改革で、独立行政法人(独法)に改組した後の常 勤役員(理事長、副理事長、理事)のうち約7割が、中央省庁の官僚の天下り で占められていることが朝日新聞の調査でわかった。改革前の01年当時に比 べ、天下りの比率はほぼ横ばいで、官僚出身者の受け皿という側面は温存され たままだ。天下りを抑制するとした小泉首相の方針は、ほとんど実現されてい ないと言える。 01年12月に決めた特殊法人等整理合理化計画で政府の施策の一部を担う 特殊法人や認可法人など63法人・機関が統廃合され、44の独法に移行する。 今回の調査は7月以降発足の3法人を除く41の独法(改革前は58法人)が 対象。 改革前に305人だった常勤役員数は、独法化して32%減の207人。天 下りは215人から34%減の141人で、うち局長以上で退いた幹部級は5 9人から39%減の36人。ただ、常勤役員中の官僚出身者比率は71%→6 8%、官僚出身者中の幹部級比率も27%→26%とほとんど変わっていない。 幹部級の天下り先は30法人。うち事務次官は水資源、福祉医療、日本貿易 振興、環境再生保全各機構など12法人。首相は今年3月、政府関係法人のトッ プは「官僚出身者を半数以下に」と打ち上げた。今回の調査対象の中で官僚出 身者以外がトップに就いたのは雇用・能力開発、日本学生支援両機構など5法 人だけ。 ◇ ◇ 〈キーワード・独立行政法人〉 国の行政サービスの効率化をめざし、01 年4月に制度化された新形態の組織。企業会計原則による財務諸表の開示が義 務となり、3〜5年ごとに政府内の委員会から組織・業務の見直しを求められ る。国が直接運営していた研究機関や美術館、病院などを含め、現在105法 人。国立大学法人はこの制度を下敷きにしている。 |