トップへ戻る   以前の記事は、こちらの更新記事履歴
新首都圏ネットワーク


『毎日新聞』宮城版 2004年6月10日付

東北大病院に、駐車料金引き下げ求める「あっせん」――行政評価局 /宮城

 ◇「駐車場運営の財団から寄付受けるなら、料金引き下げを」

 東北管区行政評価局はこのほど、東北大病院(仙台市青葉区)に、入院患者
の家族向け駐車料金を引き下げるよう求める「あっせん」を出した。病院は昨
年度、業務を委託している関連財団「辛酉(しんゆう)会」から約300万円
の寄付を得ており、同局は「駐車場の経費以上に収入があるなら料金を見直す
べきだ」と指摘した。あっせんは総務省設置法に基づく行政行為で、強制力は
ない。

 行政評価局によると、東北大病院の駐車料金は、入院患者の家族で1時間1
00〜200円。仙台市内の他の公的病院は、国立仙台病院が無料、東北労災
病院も時間に制限なく一律100円など、東北大病院の料金設定が突出してい
る。同局はこうした点と、業務委託を受けた辛酉会が料金収入から経費を差し
引いた利益を病院に寄付している点をとらえ、料金引き下げを求めた。

 これに対し辛酉会は、寄付は立体駐車場建て替えの積み立てに回されるなど、
結果として駐車場関連事業に使われていると主張。「寄付と言っても運営経費
の一部となっており、病院は利益を上げているわけではない」と反論している。
また東北大病院も、補助金依存度(01年度は収入の約32%)が全国の国立
大病院中6位と高い点を挙げ、「大学法人化の流れで自主財源を積極的に探さ
ないといけない時代なのに、あっせんは時代に逆行しているのではないか」と
話している。【鈴木英生】