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<阪大未公開株>当時の医学部長も取得 譲渡益1175万円


毎日新聞ニュース速報

 大阪大病院の臨床試験を巡る未公開株取得問題で、当時の阪大医学部長(62)
 も製薬ベンチャー「アンジェスMG」(大阪府豊中市)の未公開株を取得して
 いたことが12日、分かった。ア社の資料によると、少なくとも40株(取得
 時計約25万円相当)を保有、上場前の02年春に計1200万円で証券会社
 に譲渡していた。元学部長は臨床試験には直接関与していなかったが、毎日新
 聞の取材に「学部のトップとして(ア社に)支援を頼まれ取得した。株はア社
 に任せていたので、保有株数などは分からない。今は保有していない」と説明
 している。

 元学部長が医学部長だったのは、99年8月〜01年8月の2年間。現在は、
 神奈川県内の独立行政法人・国立病院機構病院(旧国立病院)の院長を務めて
 いる。

 ア社の公開資料によると、元学部長は、ア社が商品化を目指す遺伝子治療薬の
 臨床試験で総括責任者を務めた阪大教授(60)ら5人と同様、00年12月
 に第三者割当増資に応じ1株5万円で5株を取得。その後の株主割当増資(1
 株100円)で少なくとも40株に増やした。

 ア社は02年9月に東証マザーズに上場。学部長はその5カ月前の同年4月、
 40株を1株30万円で証券会社に譲渡した。取材に対し、「学部長を退任し
 た01年8月ごろ、(ア社側に)『株を手放させてほしい』と頼んだ。実際に
 手放した時期は(ア社の都合で)ずれ込んだ」と話した。

 ア社設立の中心となった元阪大助教授(42)は元学部長に株を割り当てた理
 由を、「(他の教授らと同様、遺伝子治療などに関する)特許を譲り受けた代
 償」と説明。これに対し、元学部長は「株に興味はなかったが、元助教授から
 『部長も応援してもらわないと困る。最低限の株を買ってほしい』と頼まれ、
 引き受けた」と話している。

 元学部長はア社株を手放した理由について、「株を持っているから遺伝子治療
 を推進している、と思われるのは非常にまずいと思った」と語った。



[2004-06-13-03:01]