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新首都圏ネットワーク


時事通信配信記事 2004年6月8日付

学校事件「心のケア」任せて=大阪教育大、9月にも新事業


 大阪教育大が各地の学校で事件や災害に遭った児童・生徒などを対象に、精
神面のケアを中心とした有料カウンセリングのサービスを9月にも始める方向
で検討していることが7日、分かった。独立行政法人化に伴う新ビジネスで、
付属池田小学校(大阪府池田市)児童殺傷事件の対応で培ったノウハウを活用
する。

 学校での事件・災害に特化したカウンセリング事業は全国でも初の試み。長
崎県佐世保市の小6女児死亡事件など学校を舞台とした凄惨(せいさん)な事
件が相次ぎ、子どもたちの心のケアの必要性が高まっている中、注目を集めそ
うだ。

 ちょうど3年前の2001年6月8日、児童8人が殺害された付属池田小事
件を受け、同大は心の傷を受けた児童らのケアのため「学校危機メンタルサポー
トセンター」(池田市)を設置したが、新事業ではこの施設とスタッフを活用。
同センター所属の精神科医や臨床心理士、学校心理士などの専門スタッフが、
学校での事件をめぐる心のケアに関して児童・生徒や保護者に有料でカウンセ
リングを行うほか、学校関係者の相談にも応じる。さらに、法律専門スタッフ
による権利擁護サービスも検討している。

 有料とする理由について、同センター長の元村直靖教授は、同大が今春から
独立行政法人となったことに加え、「他大学で行われている一般のカウンセリ
ングでは有料としている例が多く、その方が効果も大きいと分かったため」と
説明している。(了)