トップへ戻る   以前の記事は、こちらの更新記事履歴
新首都圏ネットワーク


『毎日新聞』岩手版 2004年6月8日付

05年度設置を断念 教員確保が難航――岩大法科大学院 /岩手


 岩手大の平山健一学長は7日、定例会見で弘前大、秋田大とともに岩手大に
開設を目指していた法科大学院(ロースクール)の05年度の設置を断念した
ことを明らかにした。教員確保が難航し必要数をそろえられなかったのが理由。
北東北3大学の法科大学院構想は、全国の他大学と同様に制度が始まった04
年度の開設を目指していたが、準備不足から延期していた。これで開設は少な
くとも当初目標より2年遅れることになる。

 3大学の法科大学院構想は、01年に岩手弁護士会から要請を受けてスター
ト。岩手大が中心になって準備を進め、全国から研究者と弁護士などの実務家
の教員を集め、弘前大からも教員3人が移籍することで15人を確保した。し
かし03年5月に文科省から「教員は20人必要」と指摘され、04年春の開
設を断念した。

 その後、内定していた研究者のうち3人が私立大などに引き抜かれ、教員確
保は難航。公募もして17人をそろえたが、文科省への申請締め切りの今月末
までに残り3人を確保するのは困難と判断した。

 平山学長は「研究者の絶対数が不足しており、地方から東京に人材が流れた。
地域の司法を充実させるため06年度の設置を目指す」と話した。【手塚さや
香】