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新首都圏ネットワーク


asahi.com 2004年6月4日付

研究開発委託費を水増し請求 経産省など企業に返還要求


 経済産業省は4日、バイオ関連機器開発のベンチャー企業、イニシアム(東
京都港区)が、同省と中小企業総合事業団から受託した事業にからみ、人件費
などを水増し請求し、1700万円を不正に受け取っていた、と発表した。イ
ニシアムは事実関係を認めているという。同省などは不正受給分の返還を求め
るとともに、今後3年間、同社への事業委託や補助金交付を停止する。ただ、
「違法性の認識がどの程度あったか現時点で判断できない」と、刑事告訴はし
ない方針だ。

 経産省によると、同社は00〜02年度、同省と中小企業総合事業団からバ
イオセンサーの開発事業を約8000万円で受託したが、うち約800万円は
人件費などの名目による水増し分だった。これ以外にも、新エネルギー・産業
技術総合開発機構(NEDO)が00年度、財団法人大阪科学技術センターに
委託した再生医療関連機器の開発事業で、同センターがイニシアムに再委託し
た約1千万円については約900万円分が水増しにあたると判断した。研究試
薬など消耗品費の名目で請求しながら、実際は分析機器などの購入にあててい
た。

 水増し請求が発覚したのは、NEDOに匿名で通報があったのがきっかけで、
経産省などが03年12月から立ち入り調査した。同社は東京工業大学の研究
成果をもとに創業したベンチャー企業。