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新首都圏ネットワーク


asahi.com 2004年5月29日付

大学発ベンチャー急増、03年度末で799社 経産省


 大学での研究成果を生かして企業を設立する「大学発ベンチャー」が増えて
いる。ここ数年は年間100社を超えるペースで増え、03年度末で799社
に達したことが、経済産業省の調査で分かった。最近は都市部の大学だけでな
く、地方大でも設立が増えている。同省は産学連携のモデルケースと位置づけ、
04年度末までに1000社の設立を目標に掲げている。

 大学発ベンチャーには、大学での研究成果に基づく特許やビジネス手法を事
業化しようとする企業のほか、設立から5年以内に大学から技術移転を受けて
事業を発展させた企業などが含まれる。

 同省は、04年度末までに全国で1000社が誕生した場合の経済効果は約
1.8兆円に達し、約14万人の雇用が生まれると試算している。

 99年度末に260社だった大学発ベンチャーの数は、00年度末に384
社、01年度末に534社、02年度末には678社に増えた。

 大学発ベンチャーの中には、アンジェスMG(大阪大)やオンコセラピー・
サイエンス(東京大)など東証マザーズに上場している製薬企業もある。

 98年に「大学等技術移転促進法」が制定され、大学の研究成果を特許にし
て企業に販売する技術移転機関(TLO)を設立する動きが広がった。TLO
の支援で、教授など研究者自身が設立したベンチャーが多い。

 大学別の起業数では都市部の有力大学が上位を占めているが、最近は地方大
学の起業が増加。03年度は、北海道大7社、山口、香川、愛媛大各4社、岩
手、熊本大各3社など、地方大が都市部の大学を上回るペースで増やしている。
同省は「自治体レベルでも独自のベンチャー支援制度づくりが進んでいること
が要因」と見ている。

 業種別では、IT関連が327社、医療・バイオが293社、機械・装置関
連が114社と続く。03年度に限れば、医療・バイオ関連が最も多く、全体
の121社のうち64社を占めた。

〈大学別の大学発ベンチャー企業数〉

 大学    企業数

(1)早稲田大   50
(2)東京大    46
(3)大阪大    45
(4)京都大    40
(5)東北大    35
(6)慶応大    31
(7)北海道大   26
(8)九州工大   25
(9)九州大    23
(10)東京工大  22

(企業数は03年度末までの累積)