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新首都圏ネットワーク


『西日本新聞』2004年5月25日付

地域一体で将来像を 九州・東京フォーラム 道州制など活発論議


 九州出身の大手企業トップや官界の幹部に、九州活性化に向けた助言、提言
を求める「九州・東京フォーラム」(西日本新聞社主宰)の第三回総会が二十
四日、都内のホテルで開かれた。会員らは、九州各県が一体となって地域の将
来像を描く必要性などについて活発な議論を繰り広げた。

 総会では、ゲストとして招かれた榎本一彦・福岡地所会長と大迫忍・ゼンリ
ン最高顧問が九州経済の現状について報告。県境を超えた観光戦略の重要性や
地域経済界の連携の動きを紹介した。

 これに対し、会員からは「アジアに近い九州には新たな国際空港が必要。各
県が早急に候補地を調整すべきだ」(野村吉三郎・全日空会長)「九州一体の
将来像を具体化するため、地域に利害関係のない学識者らによる協議会をつく
れ」(古川貞二郎・前内閣官房副長官)「アジアとの歴史的つながりを観光に
生かせ」(淺村峻・九州石油会長)といった意見が出された。

 道州制や産学連携の必要性を指摘する声も多く「国立大学法人化などで地域
との結びつきを強める大学を活性化の核に据えよ」(藤井龍子・内閣府情報公
開審査会委員)などの提言があった。

 フォーラムは昨年五月に設立。今回から岩崎宏達・ミツイワ会長が加わり、
会員数は三十六人になった。総会の冒頭、三重野康・元日本銀行総裁(設立発
起人代表)が「社会のグローバル化に対応した日本経済の構造改革は確実に進
んでいる。お上(政府)に頼らず新しい変化に挑戦しよう」とあいさつ。続い
て、多田昭重・西日本新聞社社長が「九州と東京の(産官)交流を一層進め、
実践効果がでるよう努めたい」と述べた。